半導体ファウンドリ最大手のTSMCが、2020年4月よりEUVを本格的に活用する5nmプロセスの量産を開始すると台湾のハイテク関連メディア企業Digitimesが報じている。
同紙によると、TSMCはすでに5nmの生産能力いっぱいの受注をしているという。業界筋によると、5nmプロセスを用いた最初の製品は、2020年の秋に発売されるであろうAppleの次世代iPhone向けプロセッサおよび中国Huaweiの5G対応スマートフォン向けKirin 1020プロセッサとみられるが、Broadcomをはじめとする多数の半導体ベンダからの注文も抱えているという。
AppleのiPhoneは、次世代機種を発表するたびに新たに設計されたアプリケーションプロセッサを搭載しているが、その製造プロセスも毎年進化させており、以下のように、その時その時の先端プロセスを使ってきた経緯がある。
- A10プロセッサ:16nm
- A11プロセッサ:10nm
- A12プロセッサ:7nm
- A13プロセッサ:7nm+
- A14プロセッサ:5nm (未発表/仮称、予想)
- A15プロセッサ:5nm+ (未発表/仮称、予想)
なお、TSMCの5nmプロセスにおける生産拠点は台湾南部の台南サイエンスパークに新設されたFab18で、5nmプロセスの増産に備えてすでに第2期工事も始まっている。また、TSMCでは、5nmプロセスよりも処理性能を高めつつも消費電力を抑えることができる5nm+プロセスも開発中である。