電源バックアップ用のスーパーキャパシタ
十分に充電されている場合、スーパーキャパシタは停電発生時に限られた量のエネルギーを既存の回路に供給します。バッテリが主電源でスーパーキャパシタがバックアップのポータブルアプリケーションを考えてみましょう(図2)。
図2で、永続はしないため、時間はスーパーキャパシタにとって最も貴重な必需品です。しかし、適切に選択すれば、スーパーキャパシタはバックアップリカバリ動作を迅速に行うのに十分な時間にわたって回路の電力を維持します。
図3は、図2のブロック図の一般的タイミング図を示しています。
図3で、スーパーキャパシタ(CSC)は、バッテリが回路に装着されると、バッテリの電圧レベルに到達しながら瞬時に充電への備えを収集します。これには通常、1%以下の量のバッテリ電荷の貯蔵が必要になります。システムはバッテリの電圧(VBAT)および電流(IB_SYS)によって給電されます。スーパーキャパシタの電圧(VSC)がVBATに到達すると、CSCはアイドルフェーズに移行し、ISCをゼロにして電荷を保持します。
システムはバッテリの取り外しまで機器の動作期間中スーパーキャパシタをアイドル状態に保ちます。機器の電力使用状況に応じて、アイドル時間は数日、数か月、または数年の場合があります。バッテリが除去されると、システムのバックアップが開始します。この短時間の間、CSCは電流(ISC)のさらなる保証およびスーパーキャパシタ電圧源(VSC)をシステムに提供し、迅速なバックアップリカバリを可能にします。この接続は、システムの各ICがそれぞれの最小電源電圧に到達することによって機能停止し始めるまで持続します。
スーパーキャパシタは電源電圧を一時的に維持しますが、未使用のエネルギーやスーパーキャパシタファミリの最大電圧の制限などの欠点があります。
未使用のスーパーキャパシタエネルギー
システムの最小電源によってスーパーキャパシタ内に未使用のエネルギーが残ります。たとえば、VBATが3.3VでVSYS(MIN)が2.7Vの場合、使用可能なエネルギーの66%が残ります。
最大電圧の制限
現在、平均的なスーパーキャパシタの電圧は2.5V~2.7Vの範囲です。この電圧によって、これらのコンデンサをスタックまたは直列に配置しない限り、使用可能なシステムのタイプが制限されます。たとえば、2つの2.7Vのスーパーキャパシタをスタックすると、5.4Vを提供することができます。しかし、これらの直列コンデンサの総容量は、
CSC = (C1 × C2) / (C1 + C2)
に減少します(ここで、C1 = C2です)。この等式によって総容量はC1またはC2より50%小さくなるため、C1およびC2は設計上のスーパーキャパシタの値の2倍にする必要があります。
さらに、PCBレイアウトのサイズとアプリケーションのコストが増大します。1つのスーパーキャパシタの代わりに2つのスーパーキャパシタを使う場合、2つのより大きいコンデンサ(C1およびC2)のそれぞれが、1つのより小さい(CSC)コンデンサの2倍のサイズのため、サイズは4倍に増大します。スタックされたスーパーキャパシタを使用する場合の追加のコストとして、直列コンデンサには、容量、抵抗値、および漏れ電流の許容誤差の違いを均一化するためのセルバランシング回路が必要になります。