Dell Technologiesは今年の5月、米ラスベガスで行われたプライベートイベント「Dell Technologies World 2019」において、「Dell Technologies Cloud」というクラウド戦略を発表したが、同社は6月28日、国内において改めてクラウドビジネスに関する記者説明会を開催した。

Dell Technologies(EMCジャパン)アドバンスドテクノロジーソリューションズ事業部 クラウドプラットフォームスペシャリスト 吉田尚壮氏は、「Dell Technologies World 2019で発表されたのは、VMwareのクラウド戦略と足並みを揃えて今後クラウドの戦略を発表していくことと、Azure上でVMwareが利用できるようになったという2つだ」と説明。

  • Dell Technologies(EMCジャパン株式会社)アドバンスドテクノロジーソリューションズ事業部 クラウドプラットフォームスペシャリスト 吉田尚壮氏

その背景を同氏は、「ユーザーの多くは、AzureやAWS、GCPなどのパブリッククラウドを利用しているが、それぞれのクラウドでAPIの使い方が異なり、GUIの作法も違う。そのため、複数のクラウドを利用する場合は、それぞれの作法を学ばなければならない。そこに不安を覚えている。VMwareが提唱しているハイブリッドクラウドは、オンプレミスとパブリッククラウド間で一貫性のあるインフラ、オペレーションを提供する事で、容易にクラウドを使える世界を目指している」と語った。

  • 一貫性のあるインフラ、オペレーションとは

パブリッククラウド上でVMwareを利用できるようにしたのは、2017年のVMworldで発表された「VMware Cloud on AWS」が最初だ。。そして、昨年の11月には、「VMware Cloud on AWS」の東京リージョンでの提供開始も発表されている。そして、今年5月の「Dell Technologies World 2019」では、米Microsoftのサティア・ナデラCEOがゲストで登場し、Azure上でVMware SDDCを提供する「Azure VMware Solution」が発表された。

  • 「Azure VMware Solution」

現在、「Dell Technologies Cloud」のソリューションとして提供される(している)ことが発表されているのは、Dell Technologies Cloud PlatformとData Center-as-a-Serviceサービスの2つ。いずれも、一貫性のあるインフラ、オペレーションを実現するために、VMware Cloud Foundation(VCF)を共通基盤で使っていこうというのが基本戦略だ。

  • Dell Technologies Cloudでは、Dell Technologies Cloud PlatformとData Center-as-a-Serviceサービスの2つを提供

吉田氏は、オンプレミスで使い慣れたVCF環境を、パブリッククラウドで提供することで、一貫性のあるオペレーションを提供でき、VMの移動も自由に行えると解説した。

吉田氏はVCFの価値について「vCenter Serverでオンプレミスと同じ操作でAWSやAzureも利用できる。そのためオペーションに負荷がかからない。また、1つの画面でAWSの環境も、オンプレミスの環境も見られる。VM移行も簡単にでき、VMwareの既存ソフトを使って統合的に管理できる。さらに、SDDC Managerがバンドルされており、これにより自動インストール、自動設定ができ、オンラインで自動アップグレードができる」とアピールした。

  • VCFの価値

一方、「Dell Technologies Cloud」におけるDell EMC側の役割は、VMwareのクラウド戦略をサポートする形でハードウェアを提供することだという。

「ハードウェアにVCFをバンドルして提供していくのがDell Technologiesのクラウドの戦略だ」(吉田氏)

DELL EMCが提供するクラウドプラットフォーム用のハードウェアとしては、すでに提供しているVXRAIL上にVCFをバンドルして提供するHCI環境、今後提供予定のコンバージドインフラ環境、サーバストレージ、ネットワークを自由に組み合わせられる「Ready Stack」(近日提供開始)の3種類がある。

  • DELL EMCが提供するクラウドプラットフォーム

一方、Data Center-as-a-Serviceサービスとして提供されるのが「VMware Cloud on Dell EMC(Project Dimension)」がある。現在、北米の一部先行ユーザーが試験運用しており、2019年下期に北米で正式リリースされる。「VMware Cloud on Dell EMC」の大きな特徴は、ハード、ソフト、サポートを含んだサブスクリプションモデルで利用できる点で、Dell EMCが現地に設置し、セットアップ。その後の管理は、Dell EMCあるいはVMwareが行う。これは、IoTなどのデータ分析は、データが発生する場所に近いところで行うべきという思想に基づき、ユーザーの指定する場所に簡単に設置できるようにしたものだ。

  • 「VMware Cloud on Dell EMC(Project Dimension)」

吉田氏は、Dell Technologies Cloudについて「DELL EMCはVMwareの戦略のためのエッジとオンプレミスの部分でハードウェアを提供していく、そこを強化していく。それが、Dell Technologies Cloudのビジョンだ」と語った。

そして最後に同氏はマルチクラウドを成功させるための4つのステップとして、「1.ロードマップとビジネスケースの作成」「2.アプリケーションのプロファイルング」「3.クラウドプラットフォームの導入・採用」「4.クラウドオペレーションモデルへの移行」を挙げた。

  • マルチクラウドを成功させるための4つのステップ