シャープは4月24日、酸化物半導体(IGZO)を用いた液晶パネルの第5世代品(IGZO5)を開発、大型から中小型液晶モジュールまで、幅広いサイズでの量産技術を活用するラインアップ展開を開始すると発表した。
IGZO5は、製膜などのプロセス条件の改良により、電子移動度を前世代(IGOZ4)比で約1.5倍、a-Si比では約30倍に向上させることに成功。8Kなど高精細の中~大型ディスプレイや超高精細モバイルディスプレイを120Hz以上の高速で駆動させつつ、低消費電力性も持たせることに成功した。
また、電子移動度の高さからTFTサイズの小型化が可能となるため、ディスプレイの輝度を向上させつつ、周辺回路のサイズダウンによる超狭額縁化や、タッチパネルなどのセンサ機能の搭載などが容易になると同社では説明している。
さらに、低消費電力や大画面化が可能となる点で有機ELディスプレイの駆動用TFTとしても適しているとしており、今後の有機ELディスプレイへの展開にも期待できるという。
なお、同社では今後、IGZO5の技術を活用し、8Kディスプレイのラインアップを拡充するとともに、超低消費電力モバイル、超高速駆動/高画質のプロ用モニター、中型有機ELディスプレイなどへの応用を進めていく計画としている。