ルネサス エレクトロニクスは2月25日、28nmプロセス採用のフラッシュメモリ内蔵車載制御マイコン「RH850/U2A」を開発したことを発表した。

同製品は、400MHzのCPU4コア(ロックステップ対応)を最大4つ搭載。各CPUごとにハードウェアの仮想化支援機構があるため、リアルタイム性を確保しながら仮想化を実現できるほか、電流変動率を抑制した自己故障診断「SR-BIST」も搭載することで、ASIL Dを含む機能安全レベルの異なる複数のソフトウェアを1つのマイコンで動作させることを可能とした。

  • RH850/U2A

    RH850/U2Aマイコンの概要 (資料提供:ルネサス)

また、フラッシュメモリは最大16MB、SRAMも3.6MB内蔵しているため、自動車の走行を中断しないでOTA(Over The Air)によるソフトウェアの更新が可能なほか、サイバー攻撃の脅威からクルマを守るため、EVITA-Fullに対応するセキュリティ機能も搭載しているため、安全なOTAの実施が可能となっている。

  • RH850/U2A

    RH850/U2Aのハードウェア概要 (資料提供:ルネサス)

さらに、最大16チャネルのCAN-FDに加え、SGMII規格の1Gbpsのイーサネット通信インタフェースも搭載。これらにより、機能安全レベルの異なるECUの統合が可能となることから、同社では同製品について、従来のシャシー制御用マイコン「RH850/Pxシリーズ」と、ボディ制御用マイコン「RH850/Fxシリーズ」の、双方の機能を統合した後継モデルと位置づけた、新世代の車載制御マイコン「クロスドメインマイコン」としており、シャシー制御やボディ制御のほか、ドメイン制御や、ローエンドからミッドレンジのゲートウェイなど、幅広い分野に適用できるものとなると説明している。

なお、同製品は、同社のクロスドメインマイコン第一弾となっており、2020年第1四半期からのサンプル出荷を随時行っていくとしているほか、今後、ソフトウェアや開発環境の整備も平行して進めていくとしている。