ルネサス エレクトロニクスは10月17日、同社の車載向けSoC「R-Carシリーズ」として、車載クラスタとしては最大級の大きさとなる12.3型(1920×720画素)であってもスムーズな3D表示を可能とするハイエンド3Dクラスタ向け車載情報システム用SoC「R-Car E3」を発表した。

同製品は、従来の3Dクラスタ向け「R-Car D3」の上位モデルとして3DグラフィックプロセッサとしてImagination Technologies(IMG)の「PowerVR Series 8XE GE8300」を搭載することで、描画性能を向上させたほか、ディスプレイオーディオやIVI(In Vehicle Infotainment)システムも1チップで駆動できるよう、オーディオDSPなどの周辺機能も搭載したもの。これにより、従来品比で描画性能は約6倍向上したという。

  • R-Car E3のデモ

    R-Carコンソーシアムフォーラム 2018の会場にて行なわれていたR-Car E3のデモ。一番左が12.3型車載クラスタへの表示デモ

また、システムとしての部品点数の削減も可能となり、6層貫通プリント基板構成で、従来ソリューション比で約10%のコストダウンも可能になったとする一方、同じR-Carシリーズともスケーラビリティがあるため、ソフトウェア資産の流用も可能であることから、エントリークラスからラグジュアリクラスまで、幅広い車種への柔軟な対応が可能になるとしている。

  • R-Car E3の実チップ

    R-Car E3の実チップ

すでにサンプルはサンプル価格6000円(税別)にて開始済みで、量産は2019年12月からを計画。2020年12月には合計で月産10万個の量産計画としている。

なお、R-Carシリーズは、これまでも3DグラフィックスIPとしてIMGのPowerVRを採用してきたが、同社は2017年にPowerVRの資産を中国資本の米Canyon Bridge Capital Partnersに売却するという形で、新たな事業体制へと変貌を遂げている。そのため、今後のIPの供給についても変化する可能性があることについて、同社のオートモーティブソリューション事業本部 テクニカルカスタマーエンゲージメント統括部 シニアダイレクターである吉田正康氏は、「外部のIPを活用するにあたっては、その都度、どう使っていくかについて精査を行なってきた。グラフィックIPについても、IMG以外のIPも調査をして、その局面局面で最適なものを選んできた」とこれまでの採用経緯を語ってくれた。また、将来については分からない、としつつも、CPUも含めて、エコシステムなどの構築状況なども鑑みて、適切なものを選んでいく、と第4世代以降の見通しについて語ってくれた。