NVIDIAは、9月13日~14日にかけて都内で開催した「GTC Japan 2018」にて、すでに公表済みであった「Project Clara」を実現するために必要となる「NVIDIA Claraプラットフォーム」を発表した。

同プラットフォームの核となるのが、同社のAIコンピューティングモジュール「Xavier」と最新世代となるTuring GPUをベースとした「NVIDIA Clara AGX」となる。同社ヘルスケア事業、バイス プレジデントのKimberly Powell氏は、「人々の健康を守る目的に、人体内部を見るためにさまざまな機器が活用されるようになっているが、より高精度化するためにはコンピュータの処理性能のさらなる向上が必要。そうした状況は、現在の自動運転車が置かれている状況と似ている」と説明する。

  • 「Clara AGX」
  • 「Clara AGX」
  • Claraプラットフォームの核となる「Clara AGX」 (出典:GTC Japan 2018基調講演資料より抜粋)

現在の医療機器の課題は、より高精度なデータを得るためには、スーパーコンピュータレベルの処理能力が必要で、測定条件次第では50TFlops以上の演算性能が求められることもあるという点にあり、こうした演算性能を従来型のフロントエンドの処理にFPGA、ホスト処理にCPU,イメージの再構築、画像処理、可視化をGPUが担うといったアーキテクチャで、それを実現するのには限界があった。

  • 従来型の医療機器アーキテクチャ

    従来型の医療機器を構成するアーキテクチャ。この構成で現実的なサイズや電力で50TFlopsの演算性能を実現することはハードルが高かった (出典:GTC Japan 2018におけるNVIDIA発表資料)

「NVIDIAとしても、この10年の間、医療機器メーカーと協力して開発を進めることで、医療画像機器のほとんどにGPUが搭載されるようになってきた。しかし、近年、さらなる高性能化の流れとして、センサの大型化とAIを活用したいというニーズがでてきて、その対応のために、新たなプラットフォームを構築する必要があった」(同)とのことで、Clara AGXを開発するに至ったとする。

そのClara AGXはエントリレベルのものとハイエンド向けの2種類が提供される。また、Claraプラットフォームを活用するために必要なソフトウェア開発キット(SDK)が「NVIDIA CLARA SDK」としてすでにアーリーアクセスのパートナーに提供されているとするが、このパートナーとしては、AIスタートアップといったベンチャー企業のほか、GEヘルスケアといった医療機器メーカー、そして医療機関や研究機関なども名を連ねており、非常に広範囲にわたっているという。

  • Clara AGX

    Clara AGXにはエントリレベル向けとハイエンド向けの2種類が用意 (出典:GTC Japan 2018におけるNVIDIA発表資料)

なお、すでに、ClaraプラットフォームそのものはFDA(アメリカ食品医薬品局)の認証をまだ取得していないものの、こうしたパートナー企業からはFDA認証済みのアプリケーションが24以上提供されているとのことで、それを活用することで、高度な画像処理を医療機器で実現することが可能になるとしている。

  • Clara SDK
  • Clara SDK
  • アプリケーション開発向けにSDKも用意。すでにアーリーアダプタ向けに提供されており、さまざまなアプリが開発済み。中にはFDAの認証を取得したアプリもでてきたという (出典:GTC Japan 2018におけるNVIDIA発表資料)