アヴネットとNot Impossible Labsは9月25日(米国時間)、Not Impossibleの振動技術「Vibrotextile」を採用したウェアラブル機器「Music: Not Impossible」を活用することで、聴覚障害を持つ人々に、コンサートの生演奏を体験する取り組みを実施したことを明らかにした。

Not Impossible Labsは、これまで不可能と言われてきたことにチャレンジし、それを可能にすることを目指した取り組みを進める企業。サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)のアワードを受賞するなど、近年、注目を集める存在になりつつある。

今回の取り組みは、米港ラスベガスで開催されたLife is Beautiful Festival中のロックバンドGreta Van Fleetの演奏において公開されたもの。アヴネットでは、自社のエンジニアたちが、Not Impossible Labsと協働し、設計デザインや資材調達および製造ネットワークの確立を行うことで、今回の技術開発を実現できたと説明している。

具体的には、複数色のLEDによって視覚的にわかるように振動レベルが表示されるバンドと軽量のベストで構成されるMusic: Not Impossibleを装着した聴覚に障害をもつ人たちと健聴者が聴衆として参加。アーティストが演奏するさまざまな音楽の特徴を、身体の各部位に装着した機器が共鳴する形で、振動へと変化させることで、音楽を楽しむことを可能にしたという。

  • Music: Not Impossible
  • Music: Not Impossible
  • 「Music: Not Impossible」。身にまとうことで、音楽を振動として、全身で感じることが可能となる (画像提供:アヴネット)

なお、アヴネットでは、「聴覚に障害をもつ方々が音楽の生演奏を満喫しているのを見ることは、実に爽快であり人生を変えるほどの出来事であった」とコメントしているほか、すでにさらなるVibrotextileを活用した製品の開発を開始していること、ならびにその分野は今後、エンターテインメント分野のみならず、多くの人々の生活を改善するセラピー、情報通信、安全対策といった分野まで拡大させていく予定であることを明らかにしている。

  • Life is Beautiful Festivalの様子

    Life is Beautiful Festivalにてウェアラブル機器を着用した観客たちの様子 (画像提供:アヴネット)