NXP Semiconductorsは、ARM Cortex-M4F/M0+コアをベースにした車載グレードマイコン「S32K1ファミリ」を発表した。

同ファミリは、車載ソフトウェア開発の負担を軽減することを目指したもので、同社では、シンプルなドラッグ・アンド・ドロップ機能により、迅速な製品試作を可能にする複数のコンパイラ/デバッガ・オプションをサポートするEclipseベースの統合開発環境(IDE)であるS32 Design Studio(DS)に事前インストール済みながら無償で利用可能な事前認証済み車載グレード・ソフトウェア開発キット(SDK)による自主開発のためのターンキー・オプションの提供を行っており、これにより、AUTOSARの使用が義務付けられていないアプリケーションの開発労力と期間の削減が可能になるとしている。

また、同ファミリでは128KBから2MBにわたるフラッシュ・メモリ搭載品を用意。ファミリ全製品においてISO CAN FD、CSEcハードウェア・セキュリティ、ASIL-Bサポート、低消費電力に対応しているため、ソフトウェアの開発容易性と併せて、ユーザーは変化する市場要件への素早い対応が可能になるという。

S32K1ファミリのブロックダイヤグラムとパッケージ外観

なお、512KBのフラッシュメモリと64KBのSRAMを搭載した「S32K144」は、すでにサンプル出荷を開始しており、価格は49ドル。同製品を搭載した開発ボード(EVM)もすでに提供が開始されている。量産開始は2017年第2四半期の予定だが、同社ではS32Kは最低15年の供給を保証する長期製品供給プログラムの対象となっているとしている。

S32K144を搭載したEVM