富士フイルムは4月8日、病室や救急などでのX線撮影の際に、グリッドを用いなくても、画像のコントラストを高めることができる画像処理ソフトウェア「Virtual Grid」を、富士フイルムメディカルを通じて5月20日より発売すると発表した。

同ソフトは、同社のデジタルX線画像診断システム「FUJIFILM DR CALNEO Cシリーズ」の画像処理ユニット「Console Advance」上で使用することができるもので、X線とデジタル画像に対する解析技術を組み合わせることで、散乱線成分を高速かつ忠実に再現する独自の「散乱線推定技術」を用いることで、撮影画像から推定された散乱線成分を、元の撮影画像から除去し、散乱線により低下した画像のコントラストを高めることができるという。

また、グリッドの種類を変えた場合と同じように、画像のコントラストを調整することができるほか、複数枚のグリッドの持ち運びや入れ替えが不要であるため、作業性の向上を実現できるという。

撮影条件(X線の強さ、量など)や撮影部位、被験者の体格などさまざまな要因の影響を受ける散乱線成分を高速かつ忠実に再現する「散乱線推定技術」を開発し、画像ごとにコントラストを自動で調整することで、散乱光で低下した画像のコントラストを高めることができる