密なコミュニケーションによる二カ国同時進行体制で、開発・設計業務の効率化を実現

市場のグローバル化が進み、企業競争が激化する中、とりわけ設計・開発業務では分散設計が進み、人件費の安い海外拠点などでのオフショア開発が進んでいる。そこで肝となるのが、日本にいる担当者と現地スタッフとの密なコミュニケーションだ。海外拠点とのコミュニケーションツールとしてパイオニアソリューションズのWeb会議システム「サイバーカンファレンスシステム・プライム」を活用し、グローバルでの開発・設計業務の大幅な効率化を実現した森六テクノロジー株式会社の担当者に話を聞いた。

意思疎通をリアルタイムで実現するWeb会議システム

音声の品質がグローバル・コミュニケーションの足かせに

1663(寛文3)年、阿波(徳島)の地で創業し、2013年に創業350周年を迎えた森六グループ。天然原料である藍や肥料の流通を手がけて以来、日本の化学工業の発展とともに歩んできた。同社グループは現在、化学品・合成樹脂製品の販売および輸出入を主とする森六ケミカルズ株式会社と高精度・高品質な製品づくりにより、自動車用樹脂成形部品や二輪用外装部品、機能部品生産などの製造販売を主とする森六テクノロジー株式会社の中核事業会社を中心に、顧客企業のニーズに応じた事業展開を図っている。

森六テクノロジー株式会社

アジアを中心としたグローバルなモータリゼーションに一層の拍車がかかるなか、森六テクノロジー株式会社(以下、森六テクノロジー)では9年前に東南アジアにオフショアデータモデリング拠点を設置し、遠隔会議システムを活用した二ヵ国間での共同開発体制をスタートした。そして6年前にも同様に第2のオフショアデータモデリング拠点を開設するなど、生産のみならず開発・設計においてもグローバル化を推した。

しかし、オフショアによる開発業務の高度化に伴って、既存の会議システムに対する不満も生じ始めた。まず、問題となったのが、会議システムの音声品質が同社の求める実用レベルに達しておらず、利用者にストレスが生じていたことだ。一日に何時間も会議システムを用いて海外とのコミュニケーションを行う同社にとって、音声がクリアでないために起こる、情報の伝達ロスによるデメリットは大きい。また、そうした懸念が現場スタッフからも指摘されていたのである。そしてもう1つは、自前で設置していた会議システムのサーバが老朽化しており、更新が迫られていたことだ。

森六テクノロジー株式会社 常務執行役員 技術研究所長 金子雅之氏

森六テクノロジーでは、現行の会議システムのバージョンアップも含めて2011年頃より新たなコミュニケーションツールの検討を開始した。その結果選ばれたのが、パイオニアソリューションズが提供するWeb会議ソリューション「サイバーカンファレンスシステム・プライム」だった。

森六テクノロジー 常務執行役員 技術研究所長の金子雅之氏は、選定の決め手について次のように語る。「採用の条件となったのが、CADの画面を共有して手軽に画面上に絵を書きながら指示を出せること。それとストレスなくコミュニケーションができるよう、音声が高品質で途切れたりしないということでした。『サイバーカンファレンスシステム・プライム』は、マウスなどで簡単に画面上にフリーハンドで絵が書けるうえ、音声が極めてクリアだったので、我々が求めている基準を文句なく満たしていたのです。」

「サイバーカンファレンスシステム・プライム」は、パイオニアにて設計開発された専用のアプリケーション。CD並の高音質コーデックを利用した独自の伝送システムを組み合わせることで音を途切れにくくし、遅れて届いたりすることなく、高音質な音を的確にリアルタイムで伝えることができる。また、双方向同時で画面に書き込みを行いながら、相手に確実に指示(意思)を伝えることができるようになっているのである。こうした特長と合わせてアプリケーションの共有も行えることから、特に設計・製造業界から多くの支持を得ている。

海外との会話に不可欠な“微妙なニュアンス”までを含めた意思疎通を実現

森六テクノロジーがこれほどまでに音声品質にこだわるのには理由がある。それは、同社ではオフショア拠点に対して、単に業務を“委託”するのではなく、同じ“チームメイト”としてリアルタイムで業務の同時進行を行っているからだ。

従来、設計領域のオフショアリングでは、「設定書」という指示書を海外拠点に送信し、時差などを利用して先方がフルタイムで作成したものが返ってくるのを待つのが一般的だった。そのため、音声品質が多少悪くてもあまり問題とはならなかったのである。しかし、森六テクノロジーではオフショア拠点に常駐する現地スタッフと、設定書だけに頼らずに、リアルタイムに会話でのコミュニケーションを行いながらモデリングの業務を進めるという先進的な取り組みを実践しているのである。

「ゼロかイチかではなく、その中間点にあるような細かい部分についてニュアンスも含めて相手に伝えるには、音声がとても重要になってきます。“ここをもう少し、こんな感じにしてね”──というような会話ですね。自動車業界におけるデザインを作り込むには、表面上のデータとして見えていない領域が非常に大きいのです。そしてその領域に、コミュニケーションが生まれます。そこまでをきちんと伝えて、商品のカタチにしてもらうところまでを我々は「モデリング」と呼んでいます。通常のモデリングでは、設定書を渡してその通りにかたちを作り上げていくものとされていますが、当社の場合、そこにコミュニケーションを加えて設計者の“意思”までを伝えてカタチにするのがモデリングなのだと考えています。だからこそ、会話のレスポンスとクリアさがとても大事になってきます」と金子氏は強調する。

Web会議システムのさらなるグローバル展開を検討

森六テクノロジー株式会社 技術研究所 設計課 仲谷正信氏

こうして森六テクノロジーでは、「サイバーカンファレンスシステム・プライム」を活用することで、オフショアでの開発・設計業務の効率化を実現している。例えば、従来なら100件必要だった設定書をその半分の50件に圧縮しても、設計者の意図を現地のモデラーへと伝えることができるようになったのである。

同社 技術研究所 設計課 仲谷正信氏は、「細かい設定書を書き始める前に、1つの会話を行うだけで仕事ができるようになりました。国内と海外のスタッフがお互いにスキルアップしたことで、設計者が設定書を作成する業務を減らし、まず会話でコミュニケーションした方が効率的だという考えが根付いたのです。場所は離れていても1つのチームメンバーなのだという意識が芽生えています」と語る。

オフショア拠点と日本の間には「サイバーカンファレンスシステム・プライム」の回線が現在10本用意されており、常時1対1のコミュニケーションを同時に5組で行えるようになっている。そうすることで、海外のモデラーはそれぞれ複数の製品を同時に担当できるのだ。

また、音声の品質以外でも「サイバーカンファレンスシステム・プライム」への評価は高い。まず、森六テクノロジーではクラウド形態で導入しているため、初期投資を抑えつつ、システムの更新作業の必要がなくなった。そして、もう1つの評価ポイントが、セキュリティの高さである。

森六テクノロジー株式会社 技術研究所 設計課 副主査 藤原祐次氏

「『サイバーカンファレンスシステム・プライム』は設計・製造業界でも多く採用されているので安全面での説得力があります。機密情報を扱う当社にとって、セキュリティ面で安心できることは必須の条件と言えますね」と語るのは、同社 技術研究所 設計課の藤原祐次氏だ。

今後同社では、アジア現地法人と共同開発体制を計画している。そのため、それらの拠点とのコミュニケーションツールとしても「サイバーカンファレンスシステム・プライム」に期待を寄せているのである。

「今度は製品開発メンバー同士のコミュニケーションとなるので、本来の使途である多人数での会議のような利用形態も検討しています。また、アプリケーションの遠隔操作機能もぜひ活用していきたいですね」と、金子氏は次なる構想を描く。

森六テクノロジーでは、設計部門での利用実績が他部門からも高く評価されていることから、「サイバーカンファレンスシステム・プライム」を主に製品開発領域でのグローバル展開も視野に入れているという。グローバルでの競争力強化を順調に進めている同社にとって、このWeb会議システムは世界をつなぐ大切なコミュニケーション・インフラとなりつつあるようだ。

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