Kaspersky LabとB2B Internationalが2013年夏に共同で実施した調査によると、Androidスマートフォンやタブレットの所有者の半数以上が、サイバー脅威からデバイスを守るためのセキュリティソフトウェアを使用していないことが明らかになった。

調査結果によれば、セキュリティソリューションをインストールして現在も使用していると回答したのは、スマートフォン所有者の40%、タブレット所有者の42%であった。そのほかの回答者は、OSに組み込まれた限定的なセキュリティ機能を使用することで満足している、あるいは安全に対する自分自身の直感を信じていると回答している。

一方でAndroidは、一般的なユーザーだけでなく、マルウェアを使用してユーザーから金銭を盗もうとするサイバー犯罪者にとっても、最も人気のあるプラットフォームとなっている。サイバー犯罪者にとって、Androidはあらゆるモバイルデバイス向けプラットフォームの中でも最大の標的となっている。

カスペルスキーのKaspersky Security Networkクラウドサービスによると、モバイルデバイスを標的とする現在のマルウェアサンプルの99%は、Androidプラットフォーム向けに開発されていることがわかっているという。Kaspersky Labのスペシャリストは、2012年の1年間で3万5000個の悪意あるサンプルを検知したが、2013年は前半だけで4万7000個を超えたという。

サイバー犯罪者がAndroidに関心を示すのは、その人気と機能という2つの理由から。例えば、犯罪者は、悪意のあるプログラムによって、スマートフォンがプレミアムレートの番号(通話料のほかに情報料金を上乗せした形で課金される電話番号)にテキストメッセージを送信するよう操作し、ユーザーのアカウントから金銭を盗み出すことができる。また、スマートフォンをスパイ端末に変えて、すべての通話履歴、通信、ソーシャルネットワークや電子決算アカウントのパスワードなど、所有者の情報を犯罪者に送ることができる。

つまり、Androidデバイスが持つ通信やエンターテインメント、処理に関するあらゆる能力は、一般的なユーザーに人気があるのと同じように、犯罪者にとっても魅力的となっている。