導入作業も含め、2時間もあれば使いこなす域にまで達するMBSF

このように、Salesforceの顧客データを分析してビジュアル化する手法を模索していたスーパーストリームが出会ったのがMBSFである。販売元のバリオセキュア・ネットワークスから案内されてすぐに試用した山田氏は、当時の驚きを次のように語る。

「導入作業にかかった時間はトータルで2時間程度です。簡単な説明を受けただけで、さまざまな形式のグラフを作成できるようになりました。翌日になると、多様な切り口の分析レポートを生成できるようになり、あまりの使い勝手の良さにしばらくは夢中になってMBSFを使い倒してしまいました」

山田氏が頻繁に使用するレポートとしては、「プロダクト別売上」、「顧客のセグメント分析」、「商談分析」、「プリセールスの活動負荷状況」などが挙げられた。例えば、商談分析では、マーケットごとに勝因と敗因を突き止めることも可能になったのだという。

「もし販売戦略がしっかりしていれば、例えば、メインターゲットとは異なる市場において競合他社とのコンペで敗れた場合でも、その敗因が価格であれば、仕方ないと判断することができる。そこでの勝敗にこだわるよりも、メインの市場で負けないための機能や付加価値作りに注力してほうがよいでしょう。こうした判断を下すには、日々のデータを短い期間で適切に分析しておく必要があります。当社において、このプロセスを補ってくれたのがMBSFです。経営判断に必要な情報を適切なかたちで表示する同製品は、当社の競争力向上に大いに貢献しています」(山田氏)

MBSFの分析画面の例(バリオセキュア・ネットワークス提供)

多角的な分析に力を発揮する"世界一速い"描画エンジン

MBSFは、さまざまなデータベースからデータを取り込み、統合し、ダッシュボード上で視覚的に示すことを目的として開発されたソリューションだ。特徴と呼ばれるものはあまた存在するが、とりわけ際立っているのが高速性である。その秘密は「世界一速い」と謳われている描画エンジンにある。

「利用者は必ずしもデータ分析に長けている人間ばかりではありません。なので、"試しにこういう切り口のデータを見みてみたい"と思うユーザーも多いはずです。その際に表示に時間がかかるようでは、気軽に作業を行えません。とにかく分析結果を出してみて、試行錯誤を繰り返しながら有効な結果を得る、といったことが可能なのは、高速な描画エンジンを備えるMBSFならではでしょう」(山田氏)

MBSFはクラウドベースであるため、モバイルからの利用であっても高速さを失うことはない。山田氏の経験では、「どんな使い方をしても、パフォーマンスが問題になったことはない」という。数字に限らず、文字情報を軸にした抽出/集計も可能で、さらに関連情報を次々とドリルダウンするといった機能も提供しているが、いずれの操作でも遅いと感じたことはないのだという。

実のところ、同製品は現在、一部の企業に限定した評価版提供という位置づけにある。スーパーストリームも試験ユーザーという立場で使用している状況だ。正式リリースは今年12月で、価格は1ユーザーあたり月額1800円~(最小利用ユーザー数10名)の予定になっている。

山田氏はこう主張する。「価格はSalesforceのライセンスの10分の1。その金額でこれだけの効果が得られるのなら、『今すぐにでも正式契約をしたい』とバリオセキュア・ネットワークスさんにお願いしているのですが、なかなか受け付けてもらえません(笑)。現在は私の他に数名だけが利用している状況ですが、このツールを経営層や製品企画部門に根付かせることで、現場の声とトップの戦略がリンクできるようになると見ています。MBSFが我々にとって欠くことのできない中核システムになるのは間違いないでしょう」

なお、バリオセキュア・ネットワークスでは、10月19日(金)に目黒雅叙園にてソーシャル・モバイル・ビッグデータをテーマにしたイベントを開催する。ユーザー事例のセッションで山田氏も講演予定だ。無料で参加できるので、興味のある方は参加してみるとよいだろう。