法人向けPCをリリースしているベンダーは多々あるが、「世界シェアNo.1」という高い実績と信頼性を持つ日本HPの製品は、群を抜いた普及率を誇る。今回はその人気の理由について、メーカー担当者に話を伺ってきたので紹介しよう。

ビジネスを継続させるためにITの導入は必須であり、IT機器が使えない場合ビジネスはストップし、企業にとっては大きな損失となる。したがって、バックグラウンドを支えるPCの保守・サポートは重要だ。これがしっかりしていなければ、万が一のトラブルに対して無防備となり、無駄な費用と時間が生まれてしまう結果になりかねない。この考え方はすでに一般化しつつあるが、導入と同時に保守・サポートについて入念に計画し、それを実現することは意外と難しいのが現状でもある。

日本HP パーソナルシステムズ事業統括 コマーシャルマーケティング・サービスビジネス部 サービスビジネス スペシャリスト 中宏樹氏

「HPでは、PCのライフサイクルに合わせたトータルなサポートを提供するサービス体系を敷いています。これが『HP Total Care』です」と、日本HP パーソナルシステムズ事業統括 コマーシャルマーケティング・サービスビジネス部 サービスビジネス スペシャリスト 中宏樹氏は語る。

HP Total Careは、PCの購入から廃棄までをひとつの「ライフサイクル」とし、その中で必要になるサービスをパッケージ化したものだとイメージすればよい。

『HP Total Care』には、「カスタム・インテグレーション・サービス(CIS)」、「HP Total Careオリジナルサービス」、「HP Care Packハードウェアサービス」がある。

「カスタム・インテグレーション・サービス(CIS)」は、PC導入時の作業負担を軽減するサービスで、「HP Total Careオリジナルサービス」は、困ったときに問い合わせを行える、パソコンの修理以外のさまざまなサービス、そして、「HP Care Packハードウェアサービス」は、標準のPC保守期間の延長、および修理対応をアップグレードするサービスだ。

『HP Total Care』の3つのサービス

「これらは標準のサービスに、お客様が本当に必要なサービスだけを効率的に追加していただくような形で選択できます」と中氏は説明する。

標準サービスとは、PC購入時に無償で付与されるPC製品の標準保証のことで、訪問修理や引き取り修理などで構成される。期間やサービスの種類については、製品ごとに違いがあるので、購入時によく確認しておく必要がある。HPのデスクトップPCである8200 Eliteシリーズ(オールインワンモデルを除く)では、3年間オンサイト(訪問修理)サービス、3年間パーツ保証という長期保証が標準で付いている。

また、HPの標準サービスにはこれらに加え、チャットサポートやオンライン診断ツールなども提供される。

サポート向けのTwitterアカウントも用意している(@HPSupportJP)

ブラウザを利用したオンライン診断サービスも提供している

プリインストールされているアプリケーションには、データ保護を確実なものとするHDDの暗号化や、USB接続機器の排他制御などが行える「HP ProtectTools」、PC内のデバイスやソフトウェアの更新情報の告知や自動インストール、PCのステータス監視、内蔵診断機能などが行える「HP Support Assistant」がある。

HP Support Assistantには、サポートを受ける際に、トラブルを抱えているPCのハードウェア構成情報などを都度ユーザーがHP担当者に告げなくてもよいという、隠れたメリットもある。

「実際に電話サポートを受けるときに、プロセッサやメモリ、ドライブ類などについてひとつひとつ回答していく作業はお客様に大きな負担となります。HP Support Assistantにより、ハードウェア構成情報を伝えることなく、スムーズな電話対応を提供することが可能になります」と中氏は語る。

高度なセキュリティ機能を一元管理する「HP ProtectTools」

ハードウェアやソフトウェアの更新情報や自動インストール、各種アップデート情報などを管理する「HP Support Assistant」