Infineon Technologiesは、4.5kV IHVモジュールを発表した。同4.5kV IHVモジュールにはトラクション駆動装置での使用や高電圧直流(HVDC)送電に最適化された「IGBT3/EC3」チップが組み合わされており、これにより電流密度を高めることができるため、既存の設計の変更や冷却装置の強化をせずにさらに大容量の送電と高出力が可能となると同社では説明している。

また、同モジュールには同社の「TrenchSTOP」と「FieldSTOP」技術が組み合わされており、3.3kVと6.5kVですでに生産しているモジュールを補完する位置付けとなる。パワー半導体に組み込まれた「FieldSTOP」構造はスイッチング損失を削減するほか、「TrenchSTOP」セルは飽和電圧が低いためオン状態での導通損失を最小限に抑えることが可能となっているため、損失が軽減できることに加え、冷却の必要が減り、最終的にはシステムコストの削減につながるという。

なお、同IGBT3/EC3向け4.5kV IHVモジュールは2つのハウジングによるバージョンで発売される。現在、同社が生産を行っているIHM-Aモジュールの後継パッケージとなる、保管温度マイナス55℃、最高動作温度150℃対応可能なIHM-Bハウジング・バージョンと、絶縁が施された6.5kVモジュール・ハウジングとなっており、10.2kVの絶縁電圧を持つ同モジュールは、駆動装置において特に要求される沿面距離と空間距離を備えていると同社では説明しており、IHV-Bハウジングの4.5kV IGBT3/EC3のサンプル出荷は2011年末、6.5kVハウジング・バージョンは2012年半ばの開始をそれぞれ予定している。