日本オラクルと東洋ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)は3月8日、オラクルのCRM製品「Siebel CRM」のフィールドサービス業務管理機能に対応したパッケージソリューション「B-EN-G Mobile Field Service Edition for Siebel(以下、b-MFS)」を発表した。顧客からの緊急の修理依頼など、現場作業員を派遣して行うフィールドサービス業務をAndroid端末を使って支援するもので、Siebel CRMによるフィールドサービス業務システムとの連携部分とAndroid端末上で動作するアプリケーションが含まれる。

b-MFSはSiebel CRM Field Serviceを基盤としたパッケージ。PCやオフィス機器、施設などの保守/点検、修理、障害対応を行うフィールドサービスを提供する企業をターゲットとする。たとえば顧客から緊急の修理依頼を受けた場合、CRMで管理されている顧客情報から過去の修理履歴や機器構成を参照し、状況を把握、移動距離やスキルなどを考慮して最適な作業員を選び、作業依頼を行う。作業員が携帯するAndroid端末には依頼や指示書のほか、技術文書や設計図書を自動配信することができ、作業員は修理作業の実績報告や写真/動画での証跡取得などをAndroid端末上で行ったのち、CRMと同期させることが可能。フィールドサービスに必要な機能がすべてパッケージ化されており、テンプレート(b-FS)による短期導入(4 - 6カ月)が可能な点も特長だ。

カスタマーサービスはコールセンター業務とフィールドサービスに分けられる。b-MFSは「Siebel Field Service」を基盤としたフィールドサービス支援パッケージで、情報参照、部品手配、修理実施などを的確かつ迅速に行うことを可能にする

Android端末のメリットは、指示書や資料の送受信/閲覧ができるだけでなく、さまざまなアプリケーションや外部サービスと柔軟に連携しやすい点にある

日本オラクル アプリケーション事業統括本部 CRM事業本部 シニアマネジャー 鈴木千尋氏は「スマートフォンやタブレットなど、スマートデバイスの普及は世界的にも著しく、今後はコンシューマ市場だけでなく法人市場でも進んでくると思われる。フィールドサービスは製造業などにとって、リピート顧客を維持するための大切な手段。ノートPCよりも軽くて起動が速く、携帯電話よりも操作画面が広くて多くのアプリケーションと連携できるスマートデバイスは、これまで実現が難しかったさまさまなサービスを現場で提供可能になる」と語る。また、B-EN-Gのソリューション事業本部 第3事業部 副事業部長 田浦徹氏は「Siebel CRMの強力な顧客管理機能と、Android端末の柔軟性を組み合わせた、最強のフィールドサービスソリューション。スマートデバイスは今後、業務端末としての可能性がさらに拡がっていくと予測しており、b-MFSのような連携ソリューションの需要は高いと見ている」としている。

日本オラクル アプリケーション事業統括本部 CRM事業本部 シニアマネジャー 鈴木千尋氏

東洋ビジネスエンジニアリング ソリューション事業本部 第3事業部 副事業部長 田浦徹氏

なお、現地点ではオンプレミスでの提供となるが、5月にはオンデマンド版も提供が開始される予定。参考価格は約300ユーザで1億円程度になるという。