アドビ システムズは、2010年10月25日から28日(太平洋夏時間)に、米カリフォルニア州ロサンゼルスにおいて開催される同社主催のユーザカンファレンス「Adobe MAX 2010」において電子出版ツール「Adobe Digital Publishing Suite」を発表する。

Adobe Digital Publishing Suiteは、デジタルコンテンツを作成、パブリッシュ、最適化し、コンテンツ販売企業や主要な携帯端末向けのマーケットプレイスを通じた消費者への販売を行うことのできるパッケージ化されたホステッドサービスとビューワー技術のセット。「Adobe Creative Suite」と「Adobe InDesign CS5」を基盤として構築されているとのこと。パブリッシャーはInDesign CS5、PDF、HTML5、Digital Publishing Suiteを使用し、効率よくInDesignで様々な様式に対応したレイアウトや、新たな水準のインタラクティブな機能を直接ネイティブに作成し、デジタルコンテンツを配信可能。さらに、編集内容や広告コンテンツを最適化することにより、一貫したデジタル パブリシング ワークフローを実現するとのこと。

Digital Publishing Suiteには様々なサービスとビューワー技術が含まれている。Adobe Content Viewers for Adobe AIRとiOSをサポートし、Blackberry PlayBook、Samsung Galaxy、Apple iPad、発売が待たれているAndroidベースのタブレット機器において、パブリッシャーのブランドを冠した読書体験を実現する。また、「Production Service」により、記事をInDesign CS5から直感的なホステッド サービスへ直接アップロードし、パブリッシャーはそこでデザイン、コンテンツを正しい順に組み立て、号や記事などのメタデータを追加し、デスクトップやタブレット機器で表示される最終的な形態による号全体のプレビューなどを行える。また、「Distribution Service」により、デジタルコンテンツをさまざまな主要タブレット機器やデスクトップ機器にわたって保存、ホスティング、配信可能。また、パブリッシャーはコンテンツライブラリダッシュボード内で、メタデータの作成やアーカイブ化などのコンテンツ管理を行える。「E-commerce Service」により、コンテンツ販売企業のプラットフォームやBlackberry App World、Android Market、Google Apps Marketplace、Apple App Storeなどの主要モバイル マーケットプレイスを通じて、コンテンツを直接収益化する機能による柔軟な支払いやマーチャンダイジング モデルの活用が可能。「Analytics Service」では、オムニチュアの「Adobe SiteCatalyst」が提供する高機能のオンライン解析を使用し、顧客に関する貴重な洞察を取得してコンテンツを最適化すると共に、広告による収益をさらに拡大することができるとのこと。

Digital Publishing Suite は「Professional」と「Enterprise」の2つのエディションとして2011年4月から6月頃に提供予定。Professional Editionの価格は月額699ドルと、使用ボリュームに基づく1号あたりの料金を合算したものになる予定。Professional Editionの料金設定により、パブリッシャーは、Digital Publishing Suiteへのアクセスとパブリッシャーが発行するすべての雑誌および出版物を対象としたアプリケーション作成が可能となる。Enterprise Editionは契約企業ごとに多年度契約を締結する形で提供され、購読者管理、印刷需要の充足、e- コマースなどバックエンドのパブリシング サービスと統合するためのAPIへのアクセスが含まれます。また、契約企業ごとのプロフェッショナルサービスも提供される予定。

なお、InDesign CS5を対象とするデジタル パブリシング技術のプレビュー版が、Adobe Labsにて提供されている。