アカマイは、企業がクラウドビジネスを展開する際に直面するサイバー攻撃などの様々なリスクへの対策を包括的にサポートするセキュリティ・ソリューション「アカマイ・クラウド・セキュリティ・スイート」の提供を開始した。

同ソリューションは、アカマイの分散型コンピューティング・ネットワークである「EdgePlatform」上で展開され、「アプリケーション・レイヤ」「ネットワーク・レイヤ」「DNSレイヤ」に対するサイバー攻撃に対する防御機構を備える。さらに、ボットネットによる大規模なDDoS攻撃への対策も可能となり、ビジネスの継続性を実現する。

ACSSの提供開始に伴い、同社は東京都内でエンドユーザ向けにセミナーを開催。同セミナーでは米アカマイ・テクノロジーズの技術開発担当上級副社長 ハラルド・プロコップ氏が、今回のソリューション提供の背景となるクラウドのセキュリティに関して説明を行った。

アカマイ・テクノロジーズ 技術開発担当上級副社長 ハラルド・プロコップ氏

同氏は、動画の安定的なストリーミング配信やWebサイトの高速化技術で広く知られる同社のイメージを踏まえながら「非常に多くのリンクポイントを経由するという点においてクラウドのセキュリティとビデオ配信には共通項がある」とし、トラフィックの増加とともに増大するボットネットワークによるDDoS攻撃リスクについて、「攻撃の発生源を抑えてしまうACCSは有効な対策」と説明した。加えて同氏は、実際に同社が直面した事例をもとに、「あらかじめ攻撃を予測しておかなくても、攻撃の発生から収束までをモニタリングしながら、ユーザーの要望に応じて対処を行える」という運用面でのACSSのメリットもアピールした。

アカマイ株式会社 代表取締役社長(アカマイ・テクノロジーズ 北東アジア地域担当副社長) 小俣修一氏

日本法人の代表取締役社長の小俣修一氏は、同社が"クラウドカンパニー"であることを強調しながら、当面は既存のユーザー(同氏の表現を借りれば"アカマイズユーザー")に対してACSSのビジネス展開を行っていく考えを示した。

なお、ACCSのネットワーク・レイヤはクレジットカードのセキュリティ基準であるPCI DSS Level1 Service Providerガイドライン認証を取得済みであり、同社は「ネットワーク部分については同ソリューションを導入することでPCI DSSに準拠となる」としている。