Mentor Graphicsは、同社の高位合成ツール「Catapult C Synthesis」がSystemC合成に対応し、フルチップでの合成機能を拡張したことを発表した。これにより、これまでのCatapult C Synthesisのアルゴリズミック、コントロールロジックおよび低消費電力合成機能に加え、複雑なパスインタフェースやSoCインターコネクト、TLM2.0ベースのESLフローといったSoC特有のニーズに対する処理が可能となる。

このSystemCソース記述サポートは、現在のANSI C++入力を補完し、高位合成ユーザーの言語入力の幅を広げることとなる。純粋なアンタイムANSI C++の抽象的ソース記述に対するサポートに加え、サイクル精度のSystemCに対応することでSoCのバスインターコネクトで見られるようなインタフェースプロトコルをタイムドSystemCソースで記述しながら、残りの機能設計は純粋なアンタイムドのANSI C++に保つ、ということが可能となるほか、構造や階層の扱いについて、System Cモジュールで表現することや、ファンクション、ループまたはスコープなどC++のバウンダリから階層を推定させることも選択することが可能となる。

また、既存のSystemC高位合成ツールで一般的なタイムドSystemCのサポートに加え、抽象的なSystemCのFIFOによる通信やTLMベースのESLフローのサポートも追加。これにより、高位合成とESL手法の調和を可能としたほか、自社の各ツールとの連携も実現したとしている。