ルネサス テクノロジは、LCDを搭載した産業・民生機器など向けに従来マイコン比で50%の容量増となる1.5MBのSRAMを内蔵した32ビットマイコン「SH7266」および「SH7267」合計8品種を製品化したことを発表した。2010年2月よりサンプル出荷を開始。サンプル価格は1,700円からとなっている。

「SH7266」は144ピンQFP、「SH7267」は176ピンQFPをそれぞれ採用している

"SH7266"および"SH7267"は、いずれも同社の32ビットRISCマイコン「SuperHファミリ」における「SH7260シリーズ」の展開品。SRAMを1.5MBとしたことにより、プリンタシステムや低・中級機グラフィックスダッシュボードシステムのような表示や情報処理を行う機器において、VGA(640×480)サイズの画像を外付けSDRAMなしで表示することが可能となった。

また、グラフィックスおよびビデオ表示用に、ビデオディスプレイコントローラとデジタル動画入力端子を搭載。動画の録画、縮小や、透明ないし半透明の画像を重ねるアルファブレンディング処理、およびデジタル入力された動画との画像重ね合わせなどが可能だ。画像および動画出力用に、1つの色を、最大VGAサイズにおいてR用5ビット、G用6ビット、B用5ビットの合計16ビットで表現する「RGB565形式」のデジタルRGB出力端子も備えている。

さらに、Hi-Speed USB 2.0(ホスト機能、ファンクション機能)をはじめとしたさまざまな機能を搭載。16段FIFO付シリアルコミュニケーションインタフェース、I2Cバスインタフェースなどの標準的なシリアルインタフェースの他に、デジタルオーディオデータ入出力用のシリアルサウンドインタフェース、CANインタフェース、CMT、MTU2などの16ビットタイマ、モータコントロール用のPWMタイマと、さまざまな用途に応じた周辺機能が用意されている。加えて16ビット幅の外部バスコントローラを内蔵しており、フラッシュROMやSDRAM、SRAMなどと、外付け部品を使用せずに直接接続することが可能だ。

CPUコアには浮動小数点演算器(FPU)内蔵の「SH-2A-FPU」を採用。最大動作周波数は144MHzで、命令セットは従来の「SH-2A」および「SH-2」と上位互換のため、既存機器で使用されているプログラムの流用が可能だ。また、ROMコード効率はSH-2比で約75%改善しているため、同じプログラムであれば、オブジェクトコードは約3/4のサイズに縮小することが可能である。