"何か"、を伝えれば理解してもらえる

こういった講演に対して学生からのレポートを読ませていただいた。このレポートは自由記述方式なのでその内容は実にさまざまだ。その中から、いくつかピックアップしてみると、「エレクトロニクスと聞くと何か難しそうなイメージがあるので、今日は詳しい話を聞けてよかった」(4年男子A)、「エレクトロニクスは難しい技術というイメージがあり、でもどんなふうにすごいのか(今まで)わからなかった。…(略)…自分とは遠い存在のものという感じがあったのですが、話を聞いて少し身近に感じました」(3年男子A)、「エレクトロニクスのイメージは影が薄い、裏方の仕事だと思っていました。…(略)…違う世界を見た気がしました。私の生活の中で多くの半導体やエレクトロニクスの技術が使われて、より良い生活を作り出しているのだと思った」(3年男子B)。「エレクトロニクスというと、難しいイメージが強く近未来的な感じでしたが、今日の講演を聞いて意外と身近で、そこまで難しくなく初歩のレベルなら理解できる業界でした」(3年男子C)。

エレクトロニクスとは自分には関係のない難しいモノ、と思っていた文科系の学生が多く、高校生までにエレクトロニクスとは何かを全く教わっていないことがわかった。さらに「iPhoneや携帯電話、MP3プレーヤがエレクトロニクス製品とは知らなかった、エレクトロニクスにこれほどたくさんの企業が加わっているとは初めて知った」、という声も多く、エレクトロニクス産業に来る学生がこれまでいかに理解されていなかったかを物語る。代表的な声を紹介する。「iPhoneそのものがエレクトロニクス機器だということを初めて知った。今までエレクトロニクス機器そのものが何なのかわかりませんでした。だから今日の講演を聞けたことがとてもプラスになった」(3年男子D)。

エレクトロニクスがいかに私たちの身近な存在であり、私たちの生活を変えてきたかを理解したという声も多い。「今私たちがこうやって生活できるのもエレクトロニクスの力がいろいろな所で生かされているからではないかと思いました」(3年女子A)、「講義を聞いて改めて科学の進化を実感しました。自分はスポーツをするのですがランニングの時によく音楽を聞きながら走っています。これにより集中力が上がり効率よく運動できると思います。昔は考えられませんでした」(4年男子B)、「エレクトロニクスはいわば半導体であり、このエレクトロニクスによって私たちの生活は満たされていき、また日々の技術の発達により人生を過ごしていく上で便利になっているということを改めて実感しました」(3年男子E)。「エレクトロニクスは自分のイメージとしては難しくてかけ離れた存在という感じだったが、TVやケータイ、自動車など現在の生活になくてはならない物のほとんどにエレクトロニクスが使われていた。自分は半導体などには全然興味を持っていなかったが、今日の講義を聞きとても魅力的なものだと思った。今後、注目していきたい」(3年男子F)。

エレクトロニクス・半導体産業はこれからも成長していく産業であることを学生に理解してもらいたかったが、身近な事例を紹介することで理解を狙った。「エレクトロニクスは難しいと思っていた。でも講演を聞いて前よりは少しわかったように思います。携帯電話やiPhoneにも新しい技術が使われていて日々変化していることもわかった」(3年男子G)、「半導体は落ち目と思われているが、半導体がなくなったら自分たちの便利な生活は絶対になくなってしまう。こう考えると、半導体はあまり知られていないかもしれないが、自分たちの生活には必要不可欠なものだと思う」(3年男子H)、「電子機器について苦手意識のあった私でもわかるような講演でした。日本とアメリカでのビジネスに対する考え方の違いから伸びる業種に対する考え方も違ってきてしまい、日本はもったいないことをしているなあと感じる内容でした。日本でも半導体産業が伸びていくことに期待したいです」(3年女子B)。