エレクトロニクス産業は就職の候補に成り得るのか

エレクトロニクス/半導体という産業がいかに未来志向の産業なのか、を若いころから訴えることはモノづくり日本にとって極めて重要なことであろう。「20年前の製品が今とても進化していることがわかりました。今後の20年でさらにどれだけ進化するのか楽しみに思いました。…(略)…いくら素晴らしい製品を作ったとしても経営がうまくいかなければ製品を殺してしまうのだと感じました」(3年男子I)、「新聞などで東芝や他の企業などの半導体事業が赤字、撤退ということを耳にしていたので半導体はあまり先行きの明るい産業ではないと思っていたのですが、半導体は現在の私たちの生活に必要不可欠であることと、半導体産業自体の先行きが暗いのではなく日本の企業が時代の変化についていけず半導体産業のイメージが悪くなっていたということを今日知ることができてよかったと思います」(3年男子J)。

前向きの学生には「エレクトロニクス・IT企業を就職の候補に考えようと思った」と述べている者も数人いた。「自分はこの業界に少なからず興味があったのでとても参考になった。就職活動する上で、この話を役に立てたいと思った」(3年男子K)と直接的な学生がいるかと思うと、「経営者をしっかり立てれば日本もうまくいく可能性が高い。今、半導体に興味を持つことができて、就活でも何社か受けてみようと思った」(3年男子L)という学生もいる。「エレクトロニクス産業は今、注目すべき産業だと思いました。なぜなら今の時代はエレクトロニクス機器によって世界が成り立っていると思うからです。10年前はできなかったものが現在出来ていて、しかも実用化されています。すごい速度で進化し続けているのでとても魅力的だと今日の講義を聞いて思いました」(4年男子C)。「iPhoneには音声認識が付いていて素晴らしいと思いました。こういう機器を開発できるような仕事につけたら楽しいのかと思いました。…(略)…エレクトロニクス産業はすごく面白そうだなと思いました。もう遅いかもしれませんが将来やってみたい仕事になるかもしれません」(3年男子M)。

総じて、これまで学生はエレクトロニクスを正しく理解してこなかった。これは教える側の問題、新聞報道の不正確さ、正しい理解が欠けていること、など根本から改善していかねければエレクトロニクス産業の正しい理解は得られない。ものづくりニッポンがまず取り組まなければならない課題ではないだろうか。