保守・運用費用の削減も可能

TCOを考えた時、その目的として最も重要視されているのは保守・運用のための費用です。

IT費用のうち、保守・運用にかかる費用は7~8割を占めると言われていますが、これでは、新たに戦略的なことを始める際に十分な費用を確保することができません。

ベンダーのセールストークと同じだと思わないでいただきたいのですが、ブレードサーバは解決策として有効な選択肢です。実際に、保守・運用コストを見直し、運用・管理効率を改善するために「サーバ統合・仮想化」に取り組む企業が増えています。これにより、複数箇所に分散していたサーバルームなどを1箇所に集約・統合させることができるというのも、その理由の1つです。

人件費削減も重要なポイント

サーバを購入する際は、サーバ本体の価格だけを比較しがちですが、その他、構築・運用に伴う人件費についても考慮する必要があります。

Q1の項目の中で、ブレードサーバとマックマウントサーバと比較した場合のケーブル本数の削減効果を紹介しましたが、その例をもとに人件費のコスト削減効果について見ていきます(サーバの台数は16台。5年間の利用を想定した場合のサーバ導入時のケーブリング構築の人件費、サーバ移動・ケーブリング再構築の人件費です)。

*ラックマウントサーバ(各ケーブル冗長化)
LANケーブル 32本
FCケーブル 32本
電源 32本
合計 96本
*ブレードサーバ(各ケーブル冗長化)
LANケーブル 2本
FCケーブル 2本
電源 4本
合計 10本

この場合、16台のサーバを管理するのに、ラックマウントサーバでは人件費が297万7,591円かかるのに対し、ブレードサーバを使った場合は35万5,016円と、約260万円の人件費削減が可能となるという試算例もあります(※8)。また、ケーブル本数が少なくなれば、ヒューマンエラーのリスクも低減できるため、結果としてシステムの安定性の向上が期待できます。

導入にかかる初期費用だけを見ると、経営層には「単なる追加投資」と思われがちですが、削減できる年間の家賃負担や人員減によるコスト削減効果も踏まえた上で、ブレードサーバ導入を社内で提案すべきでしょう。

※8 「HP Rack-Mounted to BladeSystem TCO Analysis Calculator」を使って、ケーブル削減によるコスト削減効果を試算した結果です。これはHP社内での試算に基づく内容であり、当然ながら人件費については企業によって異なる場合があります。