ブレードサーバには、電源モジュールや冷却ファンモジュールなどの基本的なモジュールの他に、オプションで外部接続用のインターフェースを追加することができます。

ネットワーク

ブレードサーバでは、ラックマウントサーバと同様にサーバブレードにLANインターフェースが装備されており、そこからスイッチなどのネットワーク機器に接続することになります。ただ、ブレードサーバの場合、シャーシにスイッチモジュールを挿し、そこにケーブルを接続することが多くなっています。

スイッチモジュールの他には、パススルーモジュールが搭載されている場合もあります。パススルーモジュールとは、それぞれのサーバブレードのLANインタフェースを、シャーシの背面にそのまま出すもので、シャーシの外部にネットワークスイッチがある場合に利用します。このネットワークスイッチについては、最近はGbE(Gigabit Ethernet)や10GbE対応のものも登場しています。

ストレージ

ブレードサーバには、ストレージと接続するための専用インターフェースも用意されています。

FC(Fiber Channel)スイッチ
SANを構築する時に必要な中継装置のことです。複数のサーバやストレージ製品をファイバーチャネルで接続することで、高速にデータアクセスを行うことができます。

SAS(Serial Attached SCSI)
SASには、SASストレージをシャーシに直接つなぐためのSASスイッチモジュールや、サーバブレードに搭載可能なSAS拡張カードがあります。ちなみにSASは、パラレル伝送方式を採用している従来のSCSIを改良し、シリアル転送を採用して高速転送を可能としているインターフェースです。SCSIの後継に相当するものですが、昔ながらのSCSIインターフェースに対応しているモジュールを搭載できるブレードサーバもあります。

リムーバブルメディア

バックアップや補助記憶装置としてリムーバブルメディアをサーバブレードで共有して利用するためのモジュールも用意されています。

テープ接続モジュール
テープはデータのバックアップに利用されるものですが、現在の製品でブレード用のシャーシに対応しているのは、主にDATやLTOなどがあります。

補助記憶装置
シャーシに搭載できる補助記憶装置としては、CD-RWやDVD-RAMモジュールなどがあります。

スイッチモジュールは仮想化できる

ブレードサーバによっては、スイッチモジュールを仮想化できるものがあります。 従来のブレードサーバの場合、サーバブレードに障害が発生して入れ替えた時、MACアドレスの設定を手作業で変更する必要がありました。しかし、スイッチモジュールを仮想化することにより、このような煩雑な設定作業をなくすことができます。 これを実現する仕組みは以下のようなものです。 シャーシ内にあるスイッチモジュールの各ポートにあらかじめ仮想的なMACアドレス(個々のネットワーク機器を識別するための装置固有の物理アドレス)を設定しておき、サーバブレード本体ではなく、シャーシのスイッチモジュールに設定を保存します。そのため、サーバブレードを交換しても、MACアドレスは同じものが利用できます。つまり、サーバブレードに障害が発生しても、ネットワーク設定を変更する必要がないのです。 また、スイッチモジュールの仮想化には、外部ストレージを接続するSANのFCスイッチが用意されているものもあります。この場合は、ファイバーチャネルHBA(Host Bus Adapter)のWWN(World Wide Name、またはWWPN:World Wide Port Name)を仮想化することになります。 この機能はほとんどのベンダーが用意していますが、その実現方法は各社各様なので、ブレードサーバ選びのポイントの1つになるかもしれません。

SSD対応製品も増加

写真は日本アイ・ビー・エムの「HS21」に対応したSSD

最近のブレードサーバは、SSD(Solid State Drive)に対応したものも増えています。SSDとは、フラッシュメモリを使った記憶媒体のことです。ハードディスク(HDD)と同じ接続インターフェース規格(ATA規格)を持っていますが、HDDよりも読み書きが高速で、消費電力も小さくなっています。ノートPCにも搭載されるようになっていますが、HDDに代わるストレージとして注目されています。