ブレードサーバを導入するには、サーバブレード以外に、以下の費用がかかることを考慮する必要があります。

・シャーシ
・ラック
・電源
・データセンター(サーバルーム)
・構築するための人件費

ラックと電源、ブレードサーバを設置するデータセンター(サーバルーム)は、ラックマウントサーバと同様に必要なものです。ただ、ブレードサーバは高密度化されていますので、ラックマウントサーバに較べて、必要とされるスペースは大幅に削減されます。

特に人件費は、ラックマウントサーバと比較して明確にコスト削減が見込める重要なポイントでもあります。この点については最後のQ項目で詳しく説明します。

5台ならラックマウントサーバより安いケースも

ブレードサーバは、ラックマウントサーバと比較して「高いのではないか」と言われることがあります。確かに、ブレードサーバの場合は、ラックマウントサーバと違い、サーバブレードの他にシャーシが必要なため、費用が高くなると思われがちです。

しかし、同じベンダーのラックマウントサーバと比較した場合、導入するサーバ台数が多くなると、ブレードサーバの費用が安くなるケースが多々あります。

あるベンダーのブレードサーバでは、従来型のサーバの4台分の導入費と、ブレードサーバの4台分の導入費を比べると、シャーシ分の費用を加味してもほぼ同額の費用になるそうです。この場合、新たに5台以上のサーバの導入計画があるのであれば、サーバ本体の費用だけでもブレードサーバを導入するメリットがあると言えます。

最近では、サーバブレードに搭載されるCPUのマルチコア化も進み、製品価格も低下傾向にあるので、費用面での導入障壁は低くなっていくと思われます。

インストール工数を大幅に削減できる

ブレードサーバでは、大量導入に対応できるように、インストール作業を簡略化できるツールが用意されているものがあります。

どういう方法かというと、すでに構築したサーバのイメージを取得し、それを配布することによってOSインストール作業を省略し、ネットワーク設定作業を簡略化するというものです。しかも、複数の増設サーバを同時にセットアップできるため、手作業で増設する場合と比べて作業時間を90%も削減(456分⇒42分)できる場合もあるようです(図5)。

また、OSやアプリケーションのインストールを複数のサーバに対して一括で行えるブレードサーバもあります。

図5 サーバ増設時の工数を大幅に削減可能(富士通の管理ツール「Systemwalker Resource Coordinator Virtual server Edition」の資料を基に編集部で作成)