政治家とインターネットの関係と言えば、なんと言ってもアメリカ合衆国オバマ大統領の名が挙がるが、日本の政治家たちが、ネット社会に対してどの程度の意識を持っているか、あるいは、ネットへの関心度の高さがどれ程なのかを図り知る機会は非常に少ないと言えるだろう。

東国原宮崎県知事が、自らを"宮崎県のセールスマン"と称し、「売り込むために自分ができることは何でもする!」という強い姿勢を打ち出して積極的な広報活動を行い、宮崎県の知名度アップと県産の特産品の売上増に大きく貢献しているのは、誰もが知るところだ。その知事が、次のステップとしてインターネットでのアピール活動を見逃すはずはなく、実際に力を入れようという姿勢を見せている。

東国原英夫 宮崎県知事とアマゾンジャパン代表取締役ジャスパー・チャン氏

ここでは、「Amazon.co.jp」で開催中の宮崎県特産品フェア「宮崎"てげうめ"グルメフェア」(「てげうめ」とは宮崎県地方の方言で「とてもおいしい」の意)のプロモーションで、東国原知事が東京・渋谷のアマゾンジャパンを初訪問した際に語られた内容から、知事の「現代のネット事情」に対する捉え方、日常から知事自身がメールやネットをどの程度活用しているのかなどの話題にスポットを当てる。会見では、日常生活や政治活動で、インターネットや携帯電話を活用するオバマ米大統領の例に倣うという"日本のオバマ"的発言も飛び出した。

4月8日の午後、東国原知事はアマゾンジャパン渋谷オフィスを訪問し、代表取締役社長ジャスパー氏と集まった関係者たちの歓迎を受けてオフィスインした。その後、メディア向けの会見に臨んだ

宮崎県のセールスマンとして全国各地を訪問し、県の知名度アップと地域活性化を呼び掛ける東国原知事が、インターネットの特性を使った特産品の販売に乗り出した。アマゾンの黄色いジャンパーを渡されさっそく着用

ネット活用の必要性と期待感


──ネット社会について、どのように感じていますか?

現代社会で無視することのできない、貴重で重要な媒体だと思っている。ネット社会の中で、世界を股にかけた大規模な販売とPR促進をして頂いて、アマゾンには感謝しています。

──ネットショッピングの経験について

自分自身では、ネット上で買い物をしたことはないんです。スタッフはよくネットで購入していますので、ランニング用のシューズなどショップで見つからない時などは、ネットで注文して取り寄せてもらっています。

今回のアマゾンジャパンへの表敬訪問の目的の一つには、東国原知事自身の Amazon.co.jp を使ったオンラインショッピング初体験のデモンストレーションも含まれていた。アマゾンジャパン代表取締役社長のジャスパー・チャン氏にナビゲートされてのデモの途中、推奨品(レコメンド機能)やこの商品を買った人が他に何を買っているかが分かる機能に、強い関心を寄せていた。

初めてのネットショッピング。「宮崎"てげうめ"グルメフェア」は、アマゾンジャパンにおける各都道府県の特産品フェアの第一弾。フェアは、4月23日までの開催だが、その後も、サイトは継続されるとのこと

より幅広い層へ宮崎県特産品を広めることができ、興味を持った消費者にとっても実際に足を運ばずに特産品を手に入れることができるとネットショッピングについて評価する

──初めて Amazon.co.jp を実際に使ってみた感想は?

とても簡単で使い易いと感じました。店に足を運ばないでも、家やオフィスにいながらにしてショッピングができるというのは、知ってはいましたが自分自身では体験していなかった。今後は、実際に触れて行きたいと思っています。通常の書店で探しても入手の難しい専門書が、ネット上では見付かるということが多いので、あとでじっくりと見てみたい。

また、このようにネット社会が広がって来ていますので、(このネットワークでのメリットを)駆使した"県産品フェア"や、あるいは新たな県産品に対するアプローチ法などの可能性を、もっともっと追求して行ってもいいのではないかと感じています。(ネット上にも)視野を広げて対応して行こうと考えています。