オンラインゲームの二次市場は一次市場の8~9割

これまで、中国におけるRMT市場の出現、さまざまなビジネスプレイヤーのRMTへの進出ぶりと経営方法を概観的にみてきた。関連企業の活発な活動によって、RMTは中国において一定の市場規模を備えるに至った。

ただRMTは、前述のようにグレーゾーンにあるものとして取り扱われることが多いので、政府などの公共機関によって公表された統計データはないし、事業者自身によって公表された経営報告書なども一切ない。

こうした実情のため、RMTの市場規模を正確に見積もるのは非常に難しいが、以下ではRMT市場において影響力の強い5173網の副総裁、張培(※3)氏による試算などにより、市場規模などを概観したい。

※3 傲の下に「馬」

張氏によると、オンラインゲームに限れば、二次市場の規模は一次市場の80~90%に相当するという。IT専門調査会社のIDC中国と、新聞事業を管轄する政府機関である新聞出版総署によれば、オンラインゲームの2007年の一次市場規模は、117億元(約1,872億円)に達する。二次市場の規模を一次市場の80%として計算すると、2007年には93億6,000万元(約1,497億6,000万円)に達したことになる。

張氏は、2008年の二次市場の規模について、111億2,000万元(約1,779億2,000万円)に達すると予測している。オンラインゲームの二次市場において取引されているのは、キャラクターツール、代練、ゲームID、ポイントガードなどのいわゆるRMT商品。二次市場の規模がそのままRMT市場の規模であるとみなして問題はないだろう。

張氏によると、取引金額のうち35%は人民元で購入した「ゲーム内通貨」で、65%は人民元で直接支払われている。後者の9割強は、淘宝網や5173網などのショッピングサイト、RMT専門サイトで行われているという。