――先ほどテクノロジーの話が出てきましたが、現在の御社の主力は75nm トレンチプロセスですよね

2008年9月に65nm埋め込み型ワードライン技術を用いたDRAMの生産を開始する予定で、現在の進捗状況は 試作、歩留まり、評価いずれも上手くいっている。また、80/75nmプロセス両方合わせて、当初90nmが主体だったものを当初予定を3カ月前倒しで生産の9割を移行するなどの取り組みを行ってきた。ただし、それでも今の市況では収益が苦しい状況。

埋め込み型ワードラインという技術は、DRAMとしての究極技術だと考えている。65nmプロセスの同技術採用DRAMは、75nm トレンチプロセス採用DRAMと比べても、ウェハ上のビット容量が4割程度増えることとなる。

この技術は構造がシンプルになるのが特徴。これまでQimondaはトレンチ技術を採用してきたが、これは寄生容量を抑えるのには適した技術。逆にスタック技術はワード線とビット線の中にキャパシタを形成するため、電流値が高くなる。埋め込み型ワードラインは、トレンチというベースの技術があって初めて達成できた技術だと自負している。

埋め込み型ワードラインにより、寄生容量を減らすことができるようになり、DRAMの最終形態との言われる4F 2を実現できる、恐らく最初で最後の技術になると思っている。

4 F2のDRAMは2011年の中ごろに登場すると一般的に言われてきたし、製造装置メーカーもそれに向けて開発を行ってきた。今回、Qimondaが埋め込みワードライン技術を実用化することで、4F 2は2010年中ごろには量産がスタートできると見込んでいる。

2009年中ごろには65nmプロセスから46nmの埋め込みワードラインへと移行することを計画している。6F 2だが、これにより、ウェハ上のビット容量は倍にすることができる。

65nmの埋め込み型ワードラインが量産ということですが、58nm トレンチプロセスでもDRAMを製造しています。こちらはどうなりますか

一時的には65nmと58nmの製品が平行して存在することになるが、将来的には65nmに置き換わることとなる。コスト的にも埋め込みワードラインの方が低くできるし、消費電流の実測値を見ても、埋め込み型ワードラインと比べトレンチでは10%程度高いため、サプライヤ側としてみてメリットを出すことが難しいためだ。