現在のインターネット検索は、キーワードをベースとしている。だが、長い検索結果リストにうんざりしたり、リストの中から探している情報を得られなかった経験も多いだろう。自然言語とセマンティックを用いた検索技術を開発するベンチャー企業Q-go(オランダ)は、Webが人間のようになる時代が来ると信じている。同社のCEO、Marcel Smit氏に話を聞いた。

Q-go CEOのMarcel Smit氏

--Q-goについて教えてください。

創業は1999年です。検索エンジン開発を目的として設立しましたが、2000年に方針を転換しました。大企業サイトで情報を探しにくいという問題があることに気がつき、この分野にとりくむべく戦略を変えました。そして、このころに獲得した新しい資金を利用して、さまざまな国のコンピュータ言語学者と協業し、言語学的なアルゴリズムをソフトウェアプラットフォームに組み込みました。

たとえばドイツ語の場合、1つの単語は意味のあるいくつかのまとまりに分けることができます。我々はまず、この組み合わせを分析します。文章レベルでは、文法分析を利用して入力した人の意図を探ります。次に、文章全体の同義語を分析します。

フランスにいるユーザーが「東京で家を買いたい」と入力した場合、さまざまな意図が読み取れます。フランスに住んでいると仮定し、「別荘を買う」のかもしれません。自分が知りたいと思ったことに対する質問文は1つではありません。同じ意図でもさまざまな方法で聞くことができます。このように、単語、単語の同義語、文章の類義語と分析し、文法に照らし合わせて質問文をブレークダウンします。このようにして、セマンテイックに分析することができます。我々の技術では、同じ質問を2つの方法で聞いた場合も類似点を見つけ出すことができますが、通常の検索エンジンではできません。

ユーザーは一般的に、予想できないような言葉を使って質問します。適切な言葉を使わずに、浮かんだ言葉を入力するだけです。これはセマンティックで、企業の多くはユーザーの意図が正確に読み取れていません。現在、我々は検索エンジンに問い合わせるようにトレーニングされています。これは人にやさしいものではありません。我々は普段の会話で、検索エンジンのように話をしませんね。我々は文章を使ってコミュニケーションします。Q-goは、人間であれば普通の会話を使って必要な情報を尋ねるべきだ、と思っています。この考えに基づいて、事業を展開しています。