--製品について教えてください。

自然言語での検索サービス「Q-go natural language search」を提供しています。企業をターゲットにしており、KLM Royal Dutch Airlinesなどが顧客です。

当初、企業が自社Webサイトを訪問するユーザー向けとして技術開発を進め、その後は社内向けにも拡大しました。たとえば、「弟が結婚するが何日有給休暇がもらえるのか?」と入力して会社の福利厚生ルールを調べる、といった使い方ができます。

現在、これをさらに拡大し、米Microsoftの検索技術と組み合わせて利用できるよう拡張機能を開発中です。Microsoftの検索技術と組み合わせることで、Q-goが質問文を理解し、検索結果をMicrosoftのインタフェースで表示できるようになります。Microsoftの検索技術には、インターネット検索の「Live Search」、エンタープライズ向けの「Office SharePoint Server(MOSS)」がありますが、当初はエンタープライズにフォーカスし、MOSS向けに拡張機能を開発しています。

もう1つ進めている取り組みが、ユーザー生成コンテンツのPtoPポータルです。

--精度についてはどうでしょうか?

精度改善のために、ユーザーテストを行っています。米Yahooや米Googleなど、インターネットで利用できる一般的な検索エンジンと比較した場合、まず、一般的な検索エンジンが表示する検索結果は50 - 100件です。Q-goの場合、5件程度です。この5件の検索結果の精度は85%、つまり、探していた情報が見つかる可能性は85%です。

--ユーザーはたくさんの検索結果の中から選択しながら、自分が探していたものを見つけ出すことに慣れていると仮定した場合、検索結果が少ないことに不満や不審感を抱くのでは?

情報量は膨大な規模に膨れ上がっており、約8割のユーザーが自分が探している情報を簡単に見つけられないと感じています。5つの候補の中に情報があれば、リンクをいくつもクリックしては戻るという必要はなくなります。また、一般的な検索エンジンの場合、リンクの中に情報がないこともあります。われわれの顧客であるKLMの場合、われわれの技術を実装する前は、ベジタリアンが機内食に関する情報を検索すると、全然関係ないリンクばかりが表示されていました。

また、表示する検索結果数を顧客側で設定可能ですので、増やすこともできます。ですが、ほとんどの場合は検索結果は少ないほうがよいようです。

われわれのアルゴリズムは、130人年の言語的開発の結果であり、これに文法分析をゆるやかに結合しています。これにより、新しい言語に容易に対応できます。一度日本語に対応すれば、金融業界向け、製造向けなど各種業界への対応は数日で実現します。

ソリューションは複数のレイヤで構成されており、企業はSaaSとしてわれわれのサービスを実装できます。文法レイヤの上に辞書レイヤがのっており、これが土台となります。業種別ソリューションでは、業界別レイヤをこれに組み合わせます。金融業界向けの辞書、テレコム業界向けの辞書などの業界別の辞書は手作業で作成しています。一度作成すれば、同じ業界の別の企業に適用できます。さらに、この上に企業独自の辞書を載せます。たとえばKLMとLufthansaは同じ航空業界ですが、用いる言葉が必ずしも同じではありません。顧客は、最後の自社独自辞書の部分で我々と共同で作業を行いますが、通常4 - 6週間あれば完成します。