最後にCitrixだ。Citrixのクラウド管理ソフトウェアはCCP(現バージョン4.2.1)になる。

CCPには、「ドメイン」、「アカウント」、「ユーザー」という名のグループがある。「ドメイン」はクラウドサービスにおける企業の単位、「アカウント」は利用部署などに相当する。

また、ロールに関しては、システム全体を管理するための「ルート管理者」、ドメイン内のリソースを管理する「ドメイン管理者」、実利用者となる「ユーザー」が存在している。

Citrixのテナント分割機能

CCPでは、上記のロールによってアクセスした際のポータル画面が変わる。その画面のメニューによって各ユーザーの実行可能なオペレーションを制御し、マルチテナントの環境を実現している。

例えば、ルート管理者には物理サーバの追加/削除や仮想ルーターへのアクセスを許可するが、ドメイン管理者やユーザーに対しては許可しないので表示しないといった具合である。なお、ルート管理者はドメイン管理者やユーザーに対して作成可能なインスタンスの上限数、CPUのコア数、ディスク利用量などの制限を設定したり、特定ドメインに対して占有クラスターを指定したりできる。

複数の部署をまたがったリソース管理が求められる場合は、ドメイン配下に存在するアカウントをプロジェクトに追加する「プロジェクト」機能で対応できる。アカウントの追加に関しては、管理者がポータル画面から個別に行う一般的な方法に加えて、アカウント希望者に対してメールで招待コードを送るといった方法も用意されている。

図7 : CloudPlatformにおけるテナント管理