続いて、Ciscoのソリューションを見ていこう。

Ciscoが提供するクラウド管理ソフトウェアは「UCS Director」(現バージョン4.1)と呼ばれる。UCS Directorはマルチテナントに対応しているだけでなく、ユーザーに対して、システム管理者、グループ管理者、エンドユーザーと、各種ロールを割り当てることも可能だ。

この与えられたロールによってログイン後の画面が変化する。さらに、ロールに対して与えられる権限を細かく設定することもできる。

Ciscoのテナント分割機能

UCS Directorでは、ログインページは1つだが、ユーザーIDによってグループごとに異なるユーザーポータルへと遷移する構造になっている。ユーザーポータルの画面は、ユーザーグループごとに画面をカスタマイズできる。

ユーザーポータルには、仮想マシンテンプレートや、作成済みの仮想マシン、コントロールしている物理機器の一覧が表示される。仮想マシンの作成を申請したければ、ここで仮想マシンテンプレートを選択すればよい。また、仮想マシンを作成した後でもCPU/メモリ/ディスク/NIC等の様々な設定を変更ができる。

Ciscoの承認機能

UCS Directorでは、テンプレートカタログに承認者が指定されていると、仮想マシンの作成依頼時に承認者へ承認依頼メールが送られる。そこには、課金情報、リソースの利用量、期間等の情報が記載されており、承認者はその内容を見て判断することになる。

なお、承認処理はメール内のリンクから承認画面を開いて実行するかたちをとっている。

図6 : UCS Directorによるポータル画面(左)と承認画面(右)