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21 時計の沼にハマりたい!

新工場建設でロレックスの品薄状態が解消か?

NOV. 15, 2025 11:30
Text : 室井大和
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高級腕時計ブランド「ロレックス」が、2029年に新工場を建設する予定です。正規販売店に行ってもなかなか買えない状況の中、増産によって世界的な品薄は解消するのか、それとも……? 新工場建設の目的とは!

  • ロレックス「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ」

    ロレックスの中でも最も人気があるモデルのひとつ「デイトナ」。新品はもちろん、中古でも圧倒的な人気を誇ります

ロレックスは年間120万本以上を製造

ロレックスの腕時計は、正規販売店に行ってもなかなか買えない状況が続いています。需要に対して供給が追いついていないのが原因といわれています。

中古や二次流通の高級腕時計を扱うとある店舗スタッフは、「お客様のほとんどがロレックスをめがけて来店されます。他のブランドを案内しても、見向きもされません。極端にいえば、ロレックス以外は時計じゃないという勢いでロレックスを求めているという印象さえあります」と話します。

それほど、ロレックスは大人気なのです。正規販売店では買えないことから、いくつもの店舗をたて続けに回る「ロレックスマラソン」なる言葉が生まれたほどです。

そもそも、高級腕時計は年間でどのくらい生産されているのでしょうか。

ロレックスをはじめ、高級腕時計ブランドは生産本数を公表していないケースが多いのですが、業界関係者などへの取材や調査をまとめると、ロレックスは年間110~125万本(ブルームバーグでは2023年に124万本と報道)を製造しているといわれています。その数は業界でもトップシェア(約30%)を誇り、売上高は101億スイスフラン(約1兆7,673億円)にもなります。

  • ロレックス「ビエンヌでの作業風景」

    多くの時計ブランドは生産の自動化・電動化を進めていますが、一方で、手作業の工程も多く含まれています

ロレックスに次いで人気と知名度がある「オメガ」でさえも、年間生産本数は60~70万本といわれていて、シェアは約8%程度です。ロレックスがいかに業界をリードしている巨人であるかがわかると思います。

ロレックスは現在、スイス国内のアカシア、プラン・レ・ワット、ビエンヌ、シェーヌ・ブールの4カ所に製造拠点(工場)を構えています。

アカシアはマネジメントやアフターサービスを担う本社としての役割も担っています。プラン・レ・ワットはケースやブレスレットを製造する最大規模の拠点です。ビエンヌはムーブメントを中心に製造し、シェーヌ・ブールでは文字盤製造や宝石鑑定などを行っています。

  • ロレックス「ジュネーブ本社」

    スイス ジュネーブにあるロレックス本社。従業員は本社を“アカシア”と呼んでいるそうです(アカシア地区にあるため)

  • ロレックス「プラン・レ・ワット製造拠点」

    プラン・レ・ワットにある製造拠点では、ケースやブレスレットなど外装部品の開発や製造を行っています

  • ロレックス「ビエンヌ製造拠点」

    ビエンヌでは時計の核となるムーブメントを製造。数千人の従業員が働いています

  • ロレックス「シェーヌ・ブール製造拠点」

    シェーヌ・ブールにある拠点では、文字盤製造のほか宝石の鑑定なども行っています

新工場建設の目的は3つある?

スイスの公共テレビ局「RTS」が報道したところによると、ロレックスは10億スイスフラン以上を投じ、スイスのビュールに10万平方メートルの新しい工場を建設し、約2,000人の労働者を雇用する予定だといいます。

  • ロレックス「オイスターパーペチュアル GMTマスターII」

    デイトナに次ぐ入手困難モデルの代表格である「GMTマスターII」。新工場が稼働しても、こうしたモデルの入手難易度は下がらないという声が多数です

ビュールの新工場は2029年に操業を開始する予定。稼働するまでの間は、ロモンとヴィラサン・ピエールに3つの暫定的な補助工場を建設して、2024年から稼働を開始しています。上述の4拠点では、すでに腕時計の製造に必要なほぼすべての工程をカバーしていますが、ビュールの新工場建設の目的は、増産体制を拡充するためというのは間違いないとみられています。

ただ、BREEAM認証(建築研究所環境評価法)を取得し、建物のエネルギー消費を10%削減することを目指していることもあり、単に増産だけが目的ではないという声も上がっています。

ロレックスでは認定中古制度も始まっていて、そこには需給バランスを改善したり、クリーンなブランドイメージを強化したりするといった狙いがあるのは確かです。増産を目的とした新工場建設は、それらとミスマッチだと一部の専門誌では指摘しています。

これらの意見を総合すると、新工場の建設には「増産」を筆頭に「需給バランスの改善」「ブランドイメージ強化」の3つの目的があると結論づけてよさそうです。

  • ロレックス「プラン・レ・ワット屋上庭園」

    プラン・レ・ワットの製造拠点には屋上庭園を設置しています。そのほか、施設内はたくさんの緑であふれています

ビュールの新工場が稼働すれば、需要と供給の極端に不均衡なバランスは、少しは改善されるはずです。そうなれば、転売目的ではなく本当に欲しい人の手に正規のルート、正規の価格で行き渡るようになるかもしれません。

  • ロレックス「オイスターパーペチュアル セレブレーションダイヤル」

    1931年に登場したロレックスで最もシンプルかつ原点となるモデル「オイスターパーペチュアル」。現在も生産は続きますが、「セレブレーションダイヤル」(写真)はすでに終売していて、こうした希少な廃盤モデルは今後も高騰を続けるでしょう


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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