高級時計の代名詞的存在であるロレックスには、かつてコインウォッチというユニークピースが存在していました。コインウォッチとはいったいどんな時計なのでしょうか。オークションに出品された実物からその特徴と魅力を探ってみましょう。
本物のコインを時計に改造?
コインウォッチは1960年代から1980年代にかけて、一部の時計愛好家や富裕層から支持を集めました。当時は時計や宝飾の各メーカーが相次いでコインウォッチを発売しましたが、腕時計ほど多く作られたわけではなく、現存しているものは少ないようです。
ロレックスは1905年に創業した高級時計マニュファクチュールです。堅牢かつ精度が高いことで知られるロレックスの時計は、「デイトナ」や「サブマリーナー」などのスポーツモデルが世界的に大人気です。そんなロレックスもかつて、コインウォッチを販売していたことがあります。
コインウォッチには主に2種類あります。コインに針とストラップを付けて腕時計の文字盤として利用する「腕時計タイプ」と、本物の金貨をスライスして中をくり抜き、薄型の機械式ムーブメントを挟み込んだ「置き時計タイプ」です。ここで紹介するのは、置き時計タイプのコインウォッチ。実際に流通していた本物のコインを使った逸品です。
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ヘリテージ・オークションズが開催した「コイン&ラグジュアリー部門 オークション下見会」の会場には、ロレックス、オーデマ ピゲ、カルティエ、ピアジェ、ショパールのコインウォッチ(置き時計タイプ)が展示されていました。中でも注目は、ロレックスのコインウォッチ。クロノグラフやダイバーズウォッチなど、スポーツモデルの印象が強いロレックスですが、ラグジュアリーなコインウォッチを手掛けていたことはあまり知られていないかもしれません
閉じるとコインにしか見えない!
実物を見ることができたのは、20ドルのリバティ金貨を使用した置き時計タイプの「ロレックス レア 20ドル リバティ金貨 コインウォッチ」(1970年代製)です。1904年に発行されたアンティークコインが使われていることもあり、コイン投資家だけでなく、往年のロレックスファンからも注目を集めているそうです。
置き時計タイプのコインウォッチは、コインを開くことで時計として使用できるようになります。コインのサイドにわずかな切り込みがあり、そこがボタンになっていて、ツメや爪楊枝のような細いものを使って押し込むことでコインを開き、文字盤を起こして置き時計として使えるようになります。
実際に手に持ってみると、しっかりとした重みがあります。閉じると完璧なコインにしか見えず、何もいわずに手渡されたら、中に時計があると気づく人はほとんどいないのではないでしょうか。
今回のオークションでの落札予想価格は約4,000ドル(約59万2,000円)となっていましたが、ビンテージウォッチを扱っている店舗に話を聞いてみると、「コインウォッチとしての状態や付属品の有無にもよりますが、100万円台後半から200万円前後で販売されることが多く、ロレックスとなるともう少し高くなる可能性があります」とのこと。
コインウォッチは投機目的での購入が多いという話でしたが、時計愛好家なら、デスクに飾る置き時計として最良の選択になり得る逸品だと思いました。ただ、ストラップもなく小さいものなので、紛失には注意が必要かもしれません。





