クルマを購入するとき、「上級グレードのほうが走りもいい」と考える人は少なくない。
確かに、キックスの「G」グレードは19インチアルミホイールを装着していて、見た目の存在感では「X」グレードを上回る。
しかし、だからといって「上級グレードは全てにおいて下位のグレードよりも優れている」と考えるのは早計だ。
新型「キックス」の写真を一気に見る
「19インチだから上」というわけではない
タイヤサイズには、それぞれメリットとデメリットがある。
キックスのXとGも、単純な優劣ではなく、「何を重視するか」で評価が変わる関係と言っていい。
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新型「キックス」は「X シンプルパッケージ」「X」「X+」「G」の4グレード展開。それぞれで2WDと4WD(e-4ORCE)が選べる。2WDで比べるとXは325.93万円、Gは389.84万円で約64万円の価格差がある
見た目だけでなく操縦安定性にも期待できる19インチ
Xは215/60R17タイヤ、Gは225/45R19タイヤを装着する。
Gはタイヤ幅が広く、扁平率も低い。
一般的に、この組み合わせはステアリング操作に対する応答性が高まりやすく、高速道路やワインディングロードではしっかり感のある走りにつながる傾向がある。
もちろん、最終的な乗り味はサスペンションやボディ剛性など車両全体のセッティングで決まるため、「19インチだから必ずスポーティー」というわけではない。
それでも、見た目だけでなく、走りの印象にも一定の違いが期待できる構成と言えるだろう。
では、17インチが19インチに劣るのかといえば、そうではない。
17インチには「乗り心地」という武器がある
タイヤはホイールが小さいほどサイドウォールが厚くなり、路面から伝わる細かな衝撃を吸収しやすい。
そのため、一般的には19インチよりも17インチのほうが、段差を乗り越えたときの当たりが穏やかになる傾向がある。
日本の道路は舗装状態がさまざまで、市街地では継ぎ目やマンホールを通過する機会も多い。
そうした環境では、17インチの穏やかな乗り味が好ましいと感じる人も少なくないだろう。
「家族を乗せることが多い」「快適性を重視したい」という人にとっては、Xの足まわりにも十分な魅力がある。
維持費まで考えるなら17インチが有利?
購入時には見落としがちだが、タイヤサイズは維持費にも影響する。
一般的に19インチタイヤは17インチより価格が高く、交換時の負担も大きくなりやすい。
タイヤは消耗品であり、数年に一度は交換が必要になる。
長く乗る予定であれば、この差は無視できない。
また、ホイールサイズが大きくなるほど選べるタイヤの価格帯にも違いが出る。
もちろん、価格だけで選ぶものではないが、ランニングコストを重視するなら17インチ仕様のXに分がある。
これは購入時だけでなく、所有後の満足度にも関わるポイントだ。
安全装備は「Gだから充実」というわけではない
上級グレードを選ぶ理由として、安全装備を挙げる人もいる。
しかし、新型キックスでは、この点は少し事情が異なる。
プロパイロットやインテリジェント エマージェンシーブレーキ、車線逸脱防止支援システムなど、日常で役立つ主要な先進安全装備はXでも標準装備となっている。
つまり、安全性能を理由にGを選ばなければならないわけではない。
もちろん、一部の快適装備やメーカーオプションには違いがあるものの、「安心して運転できる」という基本性能は、Xでも十分に高いレベルにある。
この点は、購入を検討する人にとって安心材料と言えるだろう。
「走り」で選ぶなら自分の使い方を想像したい
結局のところ、17インチと19インチのどちらが優れているかは、一概には言えない。
休日に高速道路を使って遠出を楽しみたい人なら、19インチの引き締まった走りや存在感に魅力を感じるだろう。
一方で、通勤や買い物が中心で、街中を走る時間が長い人なら、17インチの快適性や維持費のメリットは見逃せない。
重要なのは、「どちらが上か」ではなく、「自分の使い方に合っているか」だ。
カタログで見ると、タイヤサイズはあくまで数字でしか表現されない。
しかし、その数字の違いは、毎日の運転感覚や維持費にまで影響する。
だからこそ、購入前には一度立ち止まって、自分のカーライフを思い浮かべてみたい。
走りを優先するならG、総合力ではXも侮れない
19インチホイールを履くGは、見た目にも走りにもプレミアム感がある。
一方で、17インチ仕様のXは、乗り心地や維持費、安全装備の充実度を考えると、非常にバランスの取れた選択肢だ。
走りの質感を重視するならG。
合理性やコストパフォーマンスを重視するならX。
この両者は優劣ではなく、それぞれ異なる魅力を持つグレードなのである。
編集部のひと言
ホイールサイズは、腕時計で言えばケースサイズに少し似ています。42mmケースは存在感があり、39mmケースは扱いやすい。それぞれに良さがあり、「大きいほうが正解」というわけではありません。クルマの17インチと19インチも同じです。ぜひ販売店では、スペック表だけを見るのではなく、「10年後もこの選択で満足できるだろうか」という視点で考えてみてください。













































