日産自動車「キックス」の購入を検討している人なら、一度は悩むのが「X」と「G」のどちらのグレードを選ぶべきか、という問題ではないだろうか。価格差は決して小さくない。しかし、カタログや価格表を眺めているだけでは、その差額が何に使われているのかが分かりにくい。今回はまず、エクステリアに注目してXとGの違いを見ていこう。
新型「キックス」の写真を一気に見る
上級グレード「G」は見た目もプレミアムだった
新型キックスは「X シンプルパッケージ」「X」「X+」「G」の4グレード展開。それぞれで2WDと4WD(e-4ORCE)が選べる。価格は2WDが299.97万円~389.84万円、4WDが334.95万円~424.82万円。2WDで比べるとXは325.93万円、Gは389.84万円で約64万円の価格差がある。
実際にクルマを見比べてみると、Gは単に装備を追加した上級グレードではなく、「見た目の質感」を高めるために細かな部分まで手が入れられていることが分かる。
分かりやすい違いは足元だ。
両グレードを見比べたとき、多くの人が最初に気付くのはホイールの違いだろう。
Xでは215/60R17タイヤと17インチアルミホイールを装着するのに対し、Gは225/45R19タイヤと19インチアルミホイールを採用する。
数字だけ見れば「2インチ大きくなった」だけの話だ。
しかし、SUVというカテゴリーでは、この2インチが想像以上に印象を変える。
ホイールが大きくなるとタイヤハウスとの隙間が少なく見え、車体全体が引き締まる。都市型SUVらしいスタイリッシュさが増し、「ワンランク上のクルマ」に見える。
カタログ上では小さな違いに思えるかもしれないが、実車を見ると、その差は写真以上だ。
もし外観を重視するのであれば、この19インチだけでもGを選ぶ理由になるだろう。
実は「樹脂パーツ」の違いが高級感を左右している
ホイールばかりに目が向きがちだが、注目したいのは樹脂パーツの仕上げだ。
Xではフロントバンパーやフェンダー、サイドシルがマットブラック仕上げとなる。SUVらしいタフな雰囲気を演出する仕様だ。
それと、「X」はフロントバンパー、サイドシル、リアバンパーにスニーカーのソールから着想を得た「ディンプル」(ポリゴン)パターンを採用している。これがあることでカジュアルさが確実に増すので、Gとじっくり見比べてみていただきたい。
一方のGでは、それらがグロスブラックへと変更される。
文章だけでは分かりにくいが、この違いは高級腕時計で例えるなら、ヘアライン仕上げと鏡面仕上げほど印象が異なる。
光を受けたときの艶感が加わることで、ボディ全体が引き締まり、都会的な雰囲気が強くなる。
SUVでありながらプレミアム感を演出したい――そんな日産の狙いが見えてくる部分でもある。
ドアサッシュにも上級グレードらしいこだわり
細かい話になるが、ドアサッシュも見逃せない。どのグレードもブラックアウトしているのは同じだが、Gはハイグロス塗装とし、サイドビューの質感を高めている。
クルマ好きでなければ気付かない部分かもしれない。しかし、高級車ほどこうした細部の仕上げにこだわる傾向がある。
こうした積み重ねが、Gの「上質さ」を支えている。
「G」でしか選べない色がある
これは新型キックスHPの「セルフ見積もり」を試してみて初めて知ったのだが、グレードによって選べるボディカラーが異なる点にも要注意。報道でよく目にするであろうイメージカラーの「レゾナンスブルー」(水色)は、Gグレードでしか選択できない。ほかに、カーキっぽくも見える「クリスタルブラウン」もGグレードのみで選べる色のようだ。
見た目だけで選ぶなら、Gの満足度は高い
もちろん、Xのデザインが見劣りするわけではない。
マットブラックの樹脂パーツはSUVらしいアクティブな雰囲気を演出しており、アウトドアテイストが好みなら、むしろこちらを支持する人もいるだろう。
しかし、「少し高級感のあるSUVが欲しい」「所有する満足感も重視したい」という人なら、Gのエクステリアは価格差を納得させるだけの魅力を持っている。
実際、19インチホイールやグロスブラックの加飾は、毎日クルマに近づくたびに目に入る部分だ。
こうした装備は、速さや燃費のように数値では比較しにくい。
それでも、クルマを長く所有するうえでは、満足度に大きく影響する要素でもある。
価格差以上に「毎日見える部分」にお金をかけたG
装備表だけを見ると、「19インチホイール」「グロスブラック加飾」といった文字が並ぶだけで、その価値は伝わりにくい。
しかし、実際に違いを整理してみると、日産はGに対して、「高級SUVとして見られるための投資」を惜しまなかったことが分かる。
見た目の満足感は、購入したその日だけでなく、毎日の駐車場や買い物先で愛車を目にするたびごとに感じるものだ。
だからこそ、「クルマは見た目も大切」という人には、Gを選ぶ理由が確かにある。
一方で、「走りや装備が十分ならそれでいい」という考えなら、Xでも不満を感じることは少ないだろう。
外観だけで結論を出すなら、「コストパフォーマンスはX、所有する満足感はG」。これが率直な印象である。
編集部から一言
GとXの見た目を比べる場合は19インチホイールに目が行きがちですが、実車の印象を左右するのはグロスブラック化された樹脂パーツです。販売店へ行く際は、ぜひフロントフェンダーやサイドシルの艶感にも注目してみてください。














































