日産自動車が2026年6月に発売したばかりの新型コンパクトSUV「キックス」が各方面で“絶賛”状態だ。デザインやサイズ感が日本で受けているのは理解できる。では、肝心の走りは? 実車に乗って確かめてきた。

  • 日産の新型「キックス」

    日産の新型「キックス」に試乗!

新型キックスの写真を一気に見る

グレードによる乗り味の違いとは

新型キックスは「X シンプルパッケージ」「X」「X+」「G」の4グレード展開。最初に乗った2WD(FF)モデルは、インパネやセンターコンソール、ドアパネルにソフト素材が多用され、各所にゴールドの加飾が配されている最上級「G」グレード(389.84万円)だ。

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    最初に乗った「Gグレード」(2WD)の新型「キックス」。ボディカラーはガーネットレッド/ブラックルーフの2トーン

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    「G」グレードの車内

ゼログラビティシートはたわみ量が多く、肌触りがスムーズな表皮との組み合わせでなかなか座り心地がいい。ヘッドレストに装着されたBOSEのスピーカーは上質なデザインで、自然な感じで埋め込まれていてよくなった。

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    ゼログラビティシート

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    ヘッドレストに装着されたBOSEのスピーカー

その走りはというと、強めの加速を行なってもエンジンが始動する回数と音量が最小限に抑えられていて、ほぼEV(電気自動車)的といえる。街中のストップ&ゴーや首都高への上り坂の合流でも十分なパワー感が味わえるし、高剛性なCMF-Bプラットフォームやサスペンション、ステアリングの剛性アップ、ショックアブソーバーの大径化など、走行性能アップのための投資がきっちり効果を発揮しているのがわかる。

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    第3世代「e-POWER」はエンジン始動の回数が少なく、音量も最小限

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    高速道路合流時の上り坂でもパワー感が味わえる

かつて日産車の象徴(?)だった「e-Pedal」スイッチは消えて久しいが、「STANDARD」で巡航中は「Bモード」で減速を強め、日常的な走行では「ECOモード」や「SPORTモード」に入れてやれば、アクセルペダルのON/OFFだけで加減速が行える設定だ。

ただ、Gグレードが装着するのは標準より2インチオーバーの19インチタイヤ(225/45R19のダンロップ「SPスポーツマックス」)で、ルックスやハンドリング、スタビリティーには優れるけれども、低速時には路面の凹凸を伝える量が少しばかり多くなる。

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    「G」グレードは19インチアルミホイールを装着

そういう意味では、次に乗った4WDの売れ筋「X」グレード(359.92万円)は標準の17インチ仕様(215/60R17のハンコック「ventus Prime4」)になっていて、しっとりスムーズな乗り心地がとても良かった。

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    次に乗ったのは「X」グレードの4WD(e-4ORCE)。ボディカラーは「オーロラフレアブルーパール」

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    17インチアルミホイールを装着

ヘッドレストのBOSEがなかったり、エアコン関連の調整がボタン式のアナログ操作になったり(Gグレードはタッチ操作で見た目も違う)、ソフトパッドの量が減ったりとレスオプションになるけれども、「プロパイロット」を含めたADAS系やモニター表示系はフル装備されていて、使い勝手に全く不満は出ない。

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    「X」グレードの車内

メーター表示を変えれば、強めのコーナリング時に「e-4ORCE」がしっかり仕事をしている様子が見て取れるし、車速が大きく変化する首都高ではカメラの性能が上がった「プロパイロット」を使ってノンストレスで走行できた。一般道は渋滞気味でストップ&ゴーが多かったのだが、エネルギーの回生率が高く、燃費は16km/L台を表示していたので、こちらも高評価だ。

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    メーターで「e-4ORCE」がしっかり仕事をしている様子が見て取れる

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    「プロパイロット」はステアリング右のボタンで起動する

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    「プロパイロット」起動中のメーター

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    エネルギーの回生率が高い

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    カタログ燃費は20.1km/L~25.7km/L

新型キックスにぴったりなユーザーとは?

サイズ、デザイン、走り、安全性など、ほぼ全ての項目でレベルアップした新型キックスは、モーターで走るけれども電欠の心配がなく、コンパクトなボディで街中を走るのが得意な一方で、プロパイロットが使えるので長距離でも疲れない。e-4ORCEのおかげで悪路や雪道でも安心して走れる。

マッチするユーザー像としては、モーターで走る電動車感覚が好きで、普段使いだけでなく、休みの日にはロングドライブにも挑戦する人、アウトドアやウインタースポーツが好きな人、などが浮かんでくる。

価格面はFFモデルが299.97万円~389.84万円、4WDモデルが334.95万円~424.82万円。ライバルとなるトヨタ自動車「カローラクロス」やホンダ「ヴェゼル」、スバル「クロストレック」などと真っ向勝負の設定となっている。

新型キックスってどんなクルマ?

最後に、新型キックスがどんなクルマであるかをおさらいしておこう。人気の理由は多岐にわたる。

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まずは好評を博している新型キックスのデザインから見ていこう。

全長4,365mm、全幅1,800mm、全高1,615mm、ホイールベース2,655mmとコンパクトなボディのフロントには、アメリカンフットボールのヘルメットからインスピレーションを得たというタフでワイドなフロントグリルがある。

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    先代に比べて75mm長く、40mm広く、10mm高く、35mm伸びた前後タイヤ間隔などにより、実際のサイズ以上に大きく堂々とした印象だ

大きく盛り上がった左右のボンネットラインやブリスターっぽいフェンダー、フローティング(浮いたように見える)ルーフなど、力強さと未来感を上手に表現したデザインだ。多くの日産車に共通するモチーフ「Vモーション」が目立っていないのも、ボーダーレスな感じで好ましい。

インテリアは最近の日産車ではおなじみの大型デュアルディスプレイをはじめ、ソフトマテリアルを多用したダッシュ周りやセンターコンソール、「ゼログラビティシート」などで先進的かつ上質に仕上げた。

日本初採用の第3世代「e-POWER」(ハイブリッドシステム)も人気の要因だ。

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新型「エルグランド」が搭載するのも第3世代e-POWERだが、こちらの発電用エンジンは1.5L直列3気筒ターボの「ZR15DDTe型」。新型キックスは新開発の1.4L直3自然吸気エンジン「HR14DDe型」を採用している。

フロントとリアに高出力のモーターを配した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を積む4WD車の設定があるのもグッドだ。

小型SUVでありながら運転支援と安全装備も充実。日産ご自慢の運転支援システム「プロパイロット」、フロントワイドビューやインビジブルフードビュー、3Dビューなど360度の全方向の安全をサポートするインテリジェントアラウンドビューモニター、衝突回避支援ブレーキなど、先進機能を満載しているところも評価が高い。

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