日産自動車が2026年夏ごろの発売を予定する新型「エルグランド」に一足早く試乗してきた。堂々とした体格で極めて背の高い大型ミニバンであるにも関わらず、その乗り味は「極上」といった感じだ。
日産・新型エルグランドの写真を一気に見る
さまざまなシーンの走りを試す
走行を前に日産側からは、ワインディング路での車両挙動と旋回性能、道路つなぎ目でのコンフォート性能、うねり路での減衰制御、高速セクションでの静粛性、ゴール地点での停車の仕方などを確認してほしい、とのサジェスチョンがあった。ずいぶん自信ありげな様子だが……。
まず発進加速を試してみると、加速Gが素早くスィッと立ち上がり、その力強さが滑らかに続いていくことに気がつく。搭載する第3世代e-POWERは発電専用に設計された1.5L直列3気筒ターボエンジン(ZR15DDTe型)を搭載。モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機の5つの主要部品をひとつにまとめた「5-in-1 e-POWER パワーユニット」で構成されていて、コンパクトかつ高剛性なところが特徴だ。
エンジン自体の排気量は1.5Lと小さいものの、発生する前後モーターでの総合トルクはV型8気筒エンジン並みの500Nm超級を達成。トルクウエイトレシオの数値は現行エルグランドより20%も小さくなっているというから、この力強さにもうなずける。
100km/h前後で巡航する高速路では、その(加速時点から続く)静粛性に驚かされる。一体成形された第3世代e-POWERブロックの振動のなさ、BOSEやパナソニックと共同開発した新世代アクティブノイズコントロール(エンジン音とロードノイズを高精度かつより幅広い領域で検知し、リアルタイムで打ち消す)、高剛性のボディと高性能遮音ガラスの採用などの徹底的な音対策が、間違いなく効果を発揮している。その静かさは、これまで体験したことのないレベルだ。
ワインディングでミニバンらしからぬ動きを披露
道路のつなぎ目やうねりのある路面では、路面に合わせた減衰力の最適制御を行うインテリジェントダイナミックサスペンションの効果により、上下動も振動もしっかりと抑えられた極めて高いレベルの乗り心地を実現。特にコンフォートモードでの乗り味は極上だ。
ワインデイングでは新型e-4ORCEが前後左右のタイヤの駆動力配分をコーナーの入り口、中盤、出口に合わせてコントロールしてくれる。6つのドライブモードごとに制御が異なるので、特にスポーツモードなどにしておくと、背の高いミニバンらしからぬ見事なコーナリング性能を発揮する。
ゴール地点での停車時には、日産初採用の「スムーズストップ」が効いて、カックンブレーキにならない姿勢で上手に止まってくれた。同乗者がいる際に、止まる寸前でブレーキを軽く緩めてショックを与えないようにするあの操作を、エルグランドは勝手にやってくれるのだ。すばらしい。
テストコース内での試乗では、新型エルグランドの進化レベルが相当に高いところに到達していることがよくわかった。まあ、唯一注文があるとすれば、あまりにも優れた乗り心地のドライバーズシートに比べると、2列目ではほんのわずかだが路面の振動を伝える量が大きくなることくらいか。このあたりの印象については、公道試乗などでもう一度探ってみたいと思った。














