最後は水没試験。時計を水中に沈めて、徐々に水圧を上げていくというもの。ちなみにG-SHOCKは、全てのモデルが20気圧に耐える構造となっている。

松本氏「実は以前にも別の偽物を使って水没試験をしたことがあるのですが、そのときは液晶表示が壊れてしまったり、時計表示が切り替わってしまったりしました。後者はおそらく、気圧が上がったことでボタンが押され、ストップウオッチ表示に切り替わってしまったと思われます」

そのときに撮影したビデオをお借りできたので、ご覧いただきたい。

【動画:G-SHOCK 本物 vs 偽物】偽物カシオウオッチ 水没試験(動画素材提供 カシオ計算機)
※音声が流れます。ご注意ください。

松本氏は、先に紹介した偽物のGA-710(アナログ秒針付き)をカゴに入れ、水没試験機にセット。ボタンを押すと、カゴは水中へと沈んでいった……。

  • カシオの時計、本物 vs 偽物

    水没試験機

  • カシオの時計、本物 vs 偽物

    偽物のGA-710を籠にセットして水没試験機へ

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    セット完了! この後、気圧を高めていく

およそ1分後、15気圧を超えたあたりで、パキッ!という音が聞こえた。急いで時計を引き上げてみると……。プラスチックの風防が砕け、ケースの中が完全に浸水。デジタル表示部には、もはや何も映し出されていなかった。

【動画:G-SHOCK 本物 vs 偽物】偽物G-SHOCK GA-710 水没試験(圧壊)
※音声が流れます。ご注意ください。

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    (冒頭の写真がコレ)気圧に耐えきれず圧壊! 形は似ていても、しょせんは偽物

松本氏「おそらく、10気圧を超えたあたりでケースが歪み、浸水が始まっていたのでしょう。で、15気圧あたりでついに耐えられなくなり、圧壊したのです」

「せっかくですから、バラしてみましょうか」そういって、松本氏は慣れた手つきで、浸水した偽物をあっという間に分解してしまった。

阿部氏「中身はまったく別物ですね。構造がまったく違います。外装などの成形品はある程度マネできても、中身はマネできません。基板のコピーが極めて難しいので。あぁ、水がジャブジャブ入ってる。これはもうダメですね」

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    偽物を分解。浸水でびしょびしょ

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    中央に汎用アナログクォーツモジュールが

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    秒針は完全に折れ曲がってしまった

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    見るも無残なプラスチック風防

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    中国製のリチウムバッテリー

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    基板は昔ながらのシンプルな設計。大きな電子部品に懐かしさを感じる

松本氏「ちょっとグレードが違うのですが、これがG-SHOCKのアナログモデルの中身です(下の写真参照)。ギリギリまでパーツを小型化しているのがおわかりいただけるかと思います。モーターにしろコンデンサーにしろ、偽物の中身のように大きな旧式のものは、一切使っていないですね」

  • Connected エンジン 3-wayを搭載した「GPW-2000」のパーツ群。基板上の電子部品は、もはや肉眼で判別できないほど小さい

小山氏「実際、アフターサービスにこういったコピー品が入ってくることがあります。知らずに買っちゃう人もいるんですよね。とはいえカシオでは受け付けられないので、返送させていただいています。

偽物もパッと見は似ています。でも、実験すれば実はまったくモノが違うんだということを、ぜひみなさんに理解していただきたいと常々思っていました。今回、それが少しでもお伝えできたらうれしいですね」

このように、いくら安くても、偽物や類似商品を買うことがどれだけ不安で割に合わないか、十分おわかりいただけたと思う。ショップのショーウィンドウで、そして、あなたの手首で存在感を放つカシオウオッチ。その「本物」だけが持つ品質と性能、そして安心をこれからもぜひ、ご堪能いただきたい。

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