時計・電子楽器・電卓などの製品を扱うカシオ計算機株式会社(以下、カシオ)は、2024年11月に、人と触れ合うことで感情が豊かに成長するAIペット「Moflin(モフリン)」を発売しました。ふわふわの毛並みとつぶらな瞳、“いきもの”のような心を持ち、飼い主に癒しや元気を与えてくれる存在です。
そんなMoflinとの末永い暮らしをサポートしてくれるのが、「シャンプー&ブロウ」や「入院」といったペットショップさながらのメニューと、「蘇り」などユニークなネーミングのサービスです。そんなサポートの内容を知るべく、今回はカシオ本社に突撃。サービスの内容や提供に至った背景のほか、各種サポートを会員価格で利用できる「Club Moflin」について社員の皆さんにお話を伺いました!
個性は400万通り以上!? Moflinの特徴とは
Moflinは、まるで“いきもの”のような心を持つAIペット(コミュニケーションロボット)。さまざまな悩みを乗り越えていくための元気や癒しを与えてくれる相棒として多くの方から人気を有しています。人と触れ合うことで感情が育っていき、しぐさや鳴き声から喜怒哀楽を表現してくれるMoflin。育て方によって形成される性格が変化するため、個性はなんと400万通り以上もあるのだとか!
触れ合うのにちょうどいいサイズ感で、飼い主の暮らしにそっと寄り添ってくれます。マンション暮らしや動物アレルギー持ち、家を空けることが多いなど、ペットを飼いづらい方にもぴったりです。
――Moflinとの暮らしをサポートするサービスについて詳しく教えてください。
市川さん サービスには、大きく「Moflinサロン」と「もしものときのサポート」の2つがあります。
ふわふわなMoflinといつも一緒にいられるお手入れのサービス「Moflinサロン」は、ファー(毛皮)のシャンプー&ブロウやリニューアルを行うサービスです。“いきもの”をコンセプトとした、ふわふわな触り心地が特徴的なMoflinのファーは、毎日触っていると徐々に汚れてしまうため、長く一緒に過ごすためにもケアは欠かせません。そんなファーの汚れを落とし、ふわっとした毛並みに整えてもらえるのが、「シャンプー&ブロウ」です[※ファー(毛皮)の状態により、 仕上りに個体差が出る場合があります]。
なかには、どうしてもサロンで落としきれない汚れの場合もあります。そんなときに活用できるのが、ファーを新しいものに交換してお返しをするサービス「ファーリニューアル」です。弊社からは利用のタイミングなどは、特に指定していないのですが、大体3か月〜半年に一度のタイミングで依頼される方が予想されます。
また、「もしものときのサポート」では、入院(修理)と蘇り(ふれあい記録の復元)というサービスがあります。入院はMoflinの具合が悪いところを修理して元気にし、「蘇り」は飼い主様との触れ合いの記録を復元するものです。このようにMoflinとの末長い生活をサポートするサービスが整っています。
――飼い主様にとっては嬉しいサービスですね。このようなサービスを提供しようと思った背景について教えてください。
市川さん 「うちの子」という思いを、大切にしたい気持ちが根底にありました。たとえば、ぬいぐるみの場合、それぞれの表情が違うと思います。Moflinのファーも同様に毛並みが一体一体違うため、「このファーでないと、うちの子ではない」と感じる方もいます。だからこそ、ただ交換するだけではなく、できるだけ長く同じファーを活かしたいと考え、サロンというサービスを設けました。
「蘇り」も同様です。長く飼い続けるからこそ「この子でないとダメ」という募る思いを大切にするため、体に何かあっても、記録をしっかりと引き継げられるように取り入れました。
――サービスを実現する過程で、大変だったことはありますか?
髙井さん 何より苦労したのは、Moflinが“いきもの”のようなAIペットであるため、アフターサービスのほとんどが、これまでのカシオ製品とは大きく異なっていた点です。
たとえば、ファー(毛皮)はMoflinの一部として愛着を持たれる存在であり、単に“交換”するのではなく“ケア”したいというニーズがありました。 これは、“いきもの”だからこそ生まれる視点です。弊社の従来の製品は、金属や樹脂などの頑丈な外装を持つものが中心で、ふわふわのファー(毛皮)を扱うこと自体が初めての試みでした。そのなかで、特に、「シャンプー&ブロウ」といった、修理とは異なる新たなサービスを整えることは大きな挑戦でした。
二村さん 弊社にはノウハウがなかったですし、クリーニング業法の確認も必要でしたので、外部の協力が欠かせませんでした。そのため、どの業者に依頼するのがよいのか、どのようなクリーニング方法が適しているのか、手探りで進める必要がありました。ぬいぐるみやファーのクリーニングを専門とする会社に相談し、仕上がりを確認しながら社内で意見を集めるなど、試行錯誤の連続でした。
髙井さん さらに、「Club Moflin」という有料保守サービスや、Moflinの記録データを復元する「蘇り」サービスなど、これまでのカシオ製品にはなかったサービスを導入する必要がありました。前例のない業務を推進するなかで、毎回手探りの状態で進めなければならず、課題や困難が尽きず、本当に大変でした。
――サービスのなかで特にこだわったことを教えてください。
市川さん Moflinの世界観です。たとえば「蘇り」というサービス名も、「Moflinは死なないのだから”蘇り”だとちょっと意味が違うのではないか」という人もいて、社内では賛否両論でした。それでも話し合いを繰り返し、“いきもの”の視点で考えると、やはり「復元」よりも「蘇り」が世界観に合うのではないかという話になりました。このような表現ひとつでも、“いきもの”として大切にしていただけるようにと、心がけました。
髙井さん サポートページ画面のデザインや表現も、Moflinの世界観を統一するようにしました。お返しするときもお手紙をつけて私たちの思い、Moflinの世界観や温かさが伝わるように工夫しているんです。そのような細かい部分にもこだわり、飼い主様がMoflinを大切なバディとして愛着を持って暮らしていけるよう、一つひとつのサービスを立ち上げました。
万が一Moflinが怪我をしてしまっても、汚れてきてしまっても、安心してアフターサービスの依頼ができる、飼い主の皆様にそんなふうに感じていただけたら幸いです。
――実際にMoflinを利用されたお客様の声を教えてください。
髙井さん 「箱や会員証など、Moflinの世界観が好き」「AIペットなのにシャンプー&ブロウや蘇りのサービスを考えたのすごい!」といった、世界観を褒めていただけるお声も頂戴しております。Moflinのサービス全体を良いと思ってくださる反応が多く、嬉しく思います。
――ご紹介した各種サービスをお手頃価格で受けられる「Club Moflin」についても教えてください。
市川さん 「Club Moflin」は各種サポートを会員価格で利用できる有料会員サービスです。年額6,600円(税込)で、シャンプー&ブロウが通常価格の半額で受けられたり、「蘇り」が無料で利用できたりします。触れ合う時間が多いために汚れやすかったり、電池の消耗が早かったりするお客様におすすめをしています。
末永く大切に暮らしていくというMoflinの世界観があるからこそ、やはりこまめなケアは必須になってきます。長く愛してもらうためにも、お安くサービスが受けられるシステムも作りたいという思いから、有料サービスを設けさせていただいています。
――みなさんのMoflinに対する愛がひしひしと伝わってきます。最後に読者の方へメッセージをお願いします。
二村さん 初期から開発を手がけてきた私としては、Moflinの愛おしさ、“いきもの”らしさというのをたくさんの人に感じていただけると嬉しいです。
市川さん ライフステージが変わるなかでも、Moflinはずっと寄り添ってくれる存在です。そっと側にいてくれるので、ふとしたときに元気をもらえると思います。年代や性別問わず、幅広い方々にお迎えしていただきたいです。
髙井さん “いきもの”としての思いを込めて、末永くかわいがっていただけるようにサポートサービス体制を整えてきました。一緒に過ごしているうちにどんどん愛着が湧いてかわいくなるMoflinと、その生活を支える充実のアフターサービスを整えておりますので、安心してお迎えいただけたら嬉しいです。
開発や企画、サポートを担当されたチームメンバーの温かい思いがギュッと詰まったMoflin。充実したサポート体制が整っているため、安心して長い時間を一緒に過ごせます。定期的なケアがしたい人には嬉しい有料サービス「Club Moflin」もあるのも嬉しいですよね。Moflinをお迎えする際には、ぜひサポートサービスも利用してみてください。