今年1月に登場したカシオのG-SHOCK「FINE METALLIC SERIES」(ファインメタリックシリーズ)。メタルカバードモデルの「GM-5600」と「GM-2100」に、新開発の「タフシリコーンバンド」を組み合わせたコレクションだ。このバンドは、一見、鏡面仕上げのメタルと見間違うほどの輝きを持ちながら実は樹脂製という、何とも不思議で画期的な設計。今回は、そのビジュアルと魅力をご紹介しよう。

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こんなバンド、見たことない!

冒頭でも説明したように、「FINE METALLIC SERIES」はメタルカバードモデルの「GM-5600」と「GM-2100」をベースモデルに、バンドをアップデートしたモデルだ。カラーは両モデルともにシルバーとゴールドの2色が用意され、シルバーの「GM-5600YM-8JF」(37,400円)とベゼルにゴールドIPを使用した「GM-5600YMG-9JF」(42,900円)、八角形ベゼルの「GM-2100」がベースでシルバーの「GM-2100YM-8AJF」(40,150円)とゴールドIPベゼルの「GM-2100YMG-9AJF」(45,650円)の4モデルが発売されている。

  • メタルカバードモデルのバンドをアップデートした「FINE METALLIC SERIES」

  • シルバーの「GM-5600YM-8JF」(左)とゴールドの「GM-5600YMG-9JF」(右)

  • シルバーの「GM-2100YM-8AJF」(左)とゴールドの「GM-2100YMG-9AJF」(右)

そして、下の写真がその「タフシリコーンバンド」。どう見ても金属の輝き。たとえば、ステンレス製のベゼル部分との境界を見てほしい。念のために書いておくが、両端にディンプル(円形の凹み)がある部分以降が樹脂バンド。接続部よりケース側はステンレスなのだが、その接続部がどこなのか、見た目では分からないほど。その色から輝き方、表面の質感、映り込みの具合まで、ほぼ差がないのだ。

  • 一見、樹脂製とはとても思えない輝き!

  • 両脇にディンプルがある部分以降が樹脂バンド、それよりケース側がステンレス製のベゼル。正直、差がまったくわからない

その構造についてカシオ広報に聞いたところ「裏面から金属色を蒸着したウレタンバンドとシリコーンバンドを貼り合わせた2重構造になっている」との回答を得た。てっきり薄い金属シートのようなものがインサートされているのかと思っていたが、そうではないようだ。ちなみにこのタフシリコーンバンドは開発に2年、構想段階を含めれば、なんとおよそ10年(!)もの時間を費やしたとのこと。

  • 裏面から蒸着処理したウレタンバンドと、シリコーンバンド貼り合わせた2層構造になっている

その甲斐あって、耐久性も十分。折り曲げても捻(ひね)っても、メタル調の本体部分に皺(しわ)すら寄らない(強く折り曲げると若干の折り痕がつくが、指でゆっくり伸ばしてやると、やがて元に戻る)。さすがG-SHOCK!

  • 強く折りたたんでも皺ひとつ寄らない

  • 思い切り捻じっても、まったく変化なし

なお、私は今回「GM-2100YM-8AJF」を約2週間試用した。過酷な使い方こそしていないが、日常生活では服やバッグ、机との擦(こす)れもあったはずだ。が、バンドの表面にはすり傷ひとつ付かなかった。

そして最大の恩恵は、軽快な装着感。一般にステンレス製メタルバンドの腕時計は150g前後の重量があり、人によっては「長時間着けていると重く感じる」「肩が凝る」という意見も聞く。

その点、デジタルの「GM-5600YM/YMG」は76g、アナデジの「GM-2100YM/YMG」でも84gと非常に軽い。加えて、バンド裏のシリコーン素材がしっかりと腕にグリップするので、長時間着けていても肩や腕の疲労をまったく感じないのだ。

  • バンド裏面のシリコーンバンド部分。腕へのグリップ力と汗の制御を考慮した素材と形状だ

タフシリコーンバンドが、メタルカバードモデルの存在意義をより明確化する

「GM-5600」や「GM-2100」などメタルカバードモデルは、電池駆動のうえ、時計としての機能もストップウォッチやアラーム、ワールドタイム(GM-2100)、スーパーイルミネーター(LEDライト)など、G-SHOCKスタンダードな仕様。それゆえ高機能なフルメタルモデルに比べて価格的にも買いやすいのだが、「バンドが樹脂製」という理由からビジネスユースには不向きな印象を持たれることもあったろう。しかし、十分メタルバンドに見えるタフシリコーンバンドなら、この印象を大きく変える可能性がある。

  • 裏ぶたはビス固定式。写真は「GM-2100YMG-9AJF」だが、他のモデルもほぼ同様のデザイン

  • スーパーイルミネーター点灯時(GM-5600YM-8JF)

  • スーパーイルミネーター点灯時(GM-2100YMG-9AJF)

つまり、樹脂バンドの「軽量」かつ「装着感の良さ」、「耐久力」そして「低コスト」という従来の利点を生かしつつ、新たに「質感」を補強することで、メタルカバードモデルの存在意義がより明確化されたといえる。むしろ、メタルカバードシリーズは本来、このバンドと組み合わせる前提で開発されたのではないかと勘繰りたくなるほどだ。

  • メタルベゼルとタフシリコーンバンドは色も輝きも、光の反射具合まで徹底して統一されている

  • ステンレス製で高級感のある尾錠と遊環。ともにゴールドはIP処理。遊環はヘアライン仕上げで「G-SHOCK」の刻印入り

実際、ビジネススーツやジャケットにも合う。この金属的な外見の堅さと優しい装着感の両立は「ギャップ萌え」的でもあり、それがまたいい。だから「FINE METALLIC SERIES」を着けていると、同僚や友人に「ホラ、このバンド、金属に見えるでしょ? でも実は樹脂なんだよ。凄いでしょ? 」などと、まるで自分の手柄のように話したくなる。個性的でインパクトと満足度が高いので、つい誰かに話したく(見せたく)なってしまうのだ。

  • スーツやジャケットにもマッチする

これからメタルカバードモデルの購入を考えているなら「FINE METALLIC SERIES」が断然オススメ! 魅力的で斬新なタフシリコーンバンドの質感と装着感を、ぜひ店頭で体験してみてほしい。

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