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不動産の相続には税金がかかる?税金額の計算方法から節税対策まで解説!

不動産相続
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故人に多額の遺産があった場合には、相続税が課税されます。故人の財産としてカウントされるものには、現金や預貯金、有価証券、貴金属の他に不動産もあります。

預貯金や有価証券の場合には、金額や取引額の額面をそのまま評価額として計算できます。しかし、不動産の場合には、評価額を算出してから税額を計算しなくてはいけないので、計算方法がかなり複雑になります。

税金や不動産に関する素人では、相続税をどうすればいいのか困っている方も少なくありません。この記事では、不動産を相続した場合にかかる相続税について、税額の計算方法や、用意されている様々な控除、相続税が払えない時の対処法などについて詳しく解説します。

すぐわかる!この記事3つのポイント!
  • 不動産を相続する場合には相続税がかかり、故人の財産の総額が基礎控除額を超えると課税されます。基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で算出されます。
  • 小規模宅地等の特例を利用すれば、居住用または事業用の土地の評価額を大幅に減額できるため相続税の節約が可能です。被相続人と同居していた場合や被相続人の事業を継承する場合には活用しましょう。
  • 相続税は、基本的に相続が発生してから10か月以内に現金で一括払いしなければなりません。支払いが難しい場合は税務署などに相談し、延納や物納などといった対処を行いましょう。

不動産を相続する場合には相続税がかかる

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まずは相続税とはどのようなものなのか解説します。相続税とは故人の遺産の総額が多額であった場合に、その遺産を遺言によって受け継いだ人や、法定相続した場合には相続人に対して課税される税金です。相続税の対象となる財産の中には不動産もあるので、不動産を相続した場合にも相続税の対象となります。

相続税を納税する必要がある場合には、相続が発生した日、すなわち故人が亡くなった日、もしくは亡くなったことを知った日から10か月以内に、被相続人(故人)の住所の最寄りの税務署に申告して納税する必要があります。納付期限の詳細については「不動産の相続税に関する注意点」でもお伝えします。

相続税は遺産総額から算出される

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相続税の対象となる財産には、現金、預貯金の他に、株式や投資信託、不動産、自動車、貴金属、ゴルフ会員権、著作権、商標権など幅広いジャンルにわたります。しかし、相続税は一つ一つの項目に対して課税されるものではありません。対象となる財産の総額に対して課税されます。

相続税は法定相続人の数によって基礎控除が認められています。次の計算式で算出される基礎控除額を遺産の総額が上回る場合には、相続税が発生します。

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 = 相続税の基礎控除額

例えば、夫が亡くなり、法定相続人が妻と2人の子供である場合には基礎控除額は次のようになります。

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

つまり、夫の遺産総額が4,800万円を超える部分について相続税が課税されます。

法定相続人の人数に上限はなく、遺産相続を放棄した人や外国籍の人の人数もカウントできます。普通養子も2人まで法定相続人として認められます。

相続税の課税対象を算出する大まかな流れ

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親族などが亡くなり相続が発生したら、故人の財産が上回るかどうかを計算しなくてはいけません。相続税の課税対象を計算するには次の流れで進めましょう。

  1. 法定相続人の確定
  2. 遺産と負債・非課税財産のリストアップ
  3. 課税対象額の確定

基礎控除を計算するためには、法定相続人の人数を確定させなければいけません。法定相続人とは配偶者と血族で、故人との関係によって順位が決まっています

配偶者は必ず相続人になります。その後は第1順位が子供、第2順位が両親、第3順位が兄弟姉妹となります。

子供や兄弟姉妹が亡くなっている場合には、その子供が代襲相続人となります。何らかの理由で疎遠になってしまっている場合でも、この順位で法定相続人から外すことはできません。

法定相続人の確定と同時に、故人の財産の総額をリストアップして計算します。遺産はプラスのものだけではなく、マイナスの財産である負債も相続対象となります。寄付や死亡退職金などの非課税財産も確認します。

法定相続人と故人の財産の確認ができたら、相続税の課税対象額を計算します。相続税は故人のプラスの財産から、負債と、葬儀代や墓所代等故人の弔いに必要な費用、非課税財産、基礎控除を差し引いた金額が課税対象額になります

不動産の評価額の計算方法

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相続税の計算方法のおおまかな流れをご理解いただけたでしょうか。ここからは、不動産の相続税をどのように計算したらいいのかを詳しくお伝えしていきます。

現金や有価証券と違い、不動産は一目で金額がわかるものではありません。相続税を算出するためには、建物でも土地でも評価額を算出した上で、他の財産と合算します。

不動産の相続税を計算するためには、評価額の算出が不可欠です。不動産の評価額はどのように計算すればいいのかを解説します。不動産の評価は土地と建物とそれぞれ別々に計算されます。土地と建物のそれぞれの計算方法を見ていきましょう。

土地(宅地)の評価額を算出するには

相続税で土地の評価額を算出する方法には、路線価方式と倍率方式のどちらかの方法を使います。路線価が設定されている場合には路線価方式で計算して、その他の地域では倍率方式を利用します。

路線価方式は主に市街地で用いられている評価方法で、路線つまり道路に1平方メートルあたりの土地の評価額が路線価として設定されています。

その道路に面している土地は路線価に土地の面積を掛けた金額を土地の評価額として算出します。

一方の倍率方式とは、路線価が設定されていない地域で評価額を算出する方法です。路線価が設定されていない地域では、地域ごとに国税庁が倍率を定めています。その倍率を固定資産税評価額に掛けて、相続税の評価額を算出します。

路線価方式でも倍率方式でも、土地の相続税評価額を算出するためには、路線価と倍率が必要です。国税庁のホームページの「路線価図・評価倍率表」で確認できます。路線価図・評価倍率表は毎年7月に更新されます。

路線価で算出する方法

それでは具体的に土地の相続税評価額を計算してみましょう。まずは、路線価で計算する方法を見ていきます。

例えば父親から土地を相続することになりました。面積は固定資産税の納税通知書か登記簿謄本で確認できます。200平方メートルでした。

路線価は国税庁の路線価図で土地が面している道路に「175A」と記載されていました。

この数字とアルファベットの見方は、「175」が「175千円」を意味しています。つまり1平方メートルあたり17万5,000円が評価額です。数字の後ろのアルファベットは借地権割合を意味していて、Aは90%という意味です。借地権割合はAの90%からGの30%まで7段階に設定されていますが、借地でなければ関係ありません。

評価額17万5,000円の土地を200平方メートル相続するときの相続税の計算方法は次のとおりです。

17万5,000円 × 200平方メートル = 3,500万円

路線価方式の場合には、ここにさらに補正率を掛ける場合があります。補正率とは、土地の事情に応じて価値を補正する値です。土地が平坦でなかったり、間口が狭かったり、道路に面する出入り口がなかったりと、土地ごとに同じ路線価の他の土地と同じ価値とみなせない事情があることがあります。そのような場合に、上記で算出した評価額に補正率を掛けることがあります。

補正率に関しては、不動産の素人には判断しきれない部分があるので、税理士など専門家に相談することをおすすめします。

倍率方式で算出する方法

次に路線価が設定されていない地域で、倍率方式で相続税評価額を算出する方法を解説します。倍率方式で計算する場合には、固定資産税納税通知書で固定資産税評価額を、国税庁の評価倍率表で評価倍率を確認しておきます。固定資産税評価額に倍率を掛けたら、その金額が相続税評価額になります。計算式は次のとおりです。

固定資産税評価額 × 評価倍率 = 相続税評価額

倍率方式の場合には、路線価方式とは違い、土地ごとの事情は一切考慮に入れません。どのような土地でも、補正率は使いません。

例えば、固定資産税評価額2,000万円で、倍率1.1倍の土地を相続した場合には次の計算式になります。

2,000万円 × 1.1 = 2,200万円

建物の評価額を算出するには

建物の相続税評価額は固定資産税評価額がそのまま適用されます。固定資産税納税通知を確認すれば、記載されている建物部分の評価額がそのまま相続税評価額になります。

固定資産税納税通知書が手元にない場合には、東京23区は都税事務所で、その他の地域は市町村役場で固定資産税評価証明書を取得できます。郵送もしてもらえるので、相続した不動産の最寄りの都税事務所か役所へ問い合わせてみましょう。

建設中の場合

建物が建設中の場合には、固定資産税評価額が設定されていないので、亡くなった日までに投下された建築費を元に評価額を算定します。

亡くなった日までにかかった建築の原価の7割が相続税評価額となります。これは家屋だけではなく、門や塀、庭園の建築費も対象です。建築中の建物の評価額は次の計算式で算定します。

建築原価 × 70% = 相続税評価額

亡くなった日までに建築に1,500万円かかっていたとします。すると相続税評価額は次のように計算します。

1,500万円 × 70% = 1,050万円

貸家の場合

被相続人が所有していた建物を、他の人に貸し出していた場合には、相続税評価額からさらに一定の借地権割合が控除されます。これは、賃貸に出している建物の場合には、貸主にとっての自由度が低いために取られている措置です。マンション経営やアパート経営など不動産投資をしている場合にも、この控除が利用できるので、必ず利用しましょう。

なお、相続発生時に貸し出している状態の建物が対象です。たまたま被相続人が亡くなった時期に空室だったら、その部分は借地権割合の控除の対象とならないので注意しましょう

計算方法は下記の通り、相続税評価額に借地権割合と賃貸割合を掛けた金額になります。賃貸割合とは、貸し出されていて、借り手が独立して専有できる部分の面積です。外廊下や階段などの共有部分の面積は含まれません。

固定資産税評価額 × 借地権割合 × 賃貸割合 =賃貸に出している不動産で控除される金額

不動産の相続税を減らす方法

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故人の遺産が3,600万円を超える場合には、多額の相続税を支払わなくてはいけなくなります。相続税の税率は最低でも10%で、最高税率は55%と場合によってはとても高額になります。

しかし、不動産を相続しても、現金や有価証券等の他の財産が少ない場合には、手持ちの現金だけでは相続税を支払いきれないこともあります。

場合によっては住んでいる自宅を相続税のために売らなくてはいけない事態にもなりかねません。そういった事態にならないようにするためには、相続税をできる限り少なくする努力をしましょう。

不動産の相続には様々な控除や特例が用意されています。使えるものは全て使って、相続税の節税に努めましょう。こちらでは、不動産の相続時に使える特例をご紹介します。

小規模宅地等の特例

被相続人と同居していたのであれば、小規模宅地等の特例は必ず利用しましょう。小規模宅地等の特例とは、被相続人が亡くなる直前まで住宅もしくは事業用に利用していた宅地は、一定の面積まで評価額を減額するというもので、土地の評価額が最大で80%減額できます。

この特例ができた理由は、高額な相続税を課税することによって、相続人がその家や事業を手放さなくてはいけなくなるリスクを軽減するためです。

どのような場合に、どのように適用できるのか詳しく解説するので、小規模宅地等の特例を適用できるかどうかよく検討してみましょう。

 同居の場合

被相続人が亡くなる直前まで、生計が一緒の親族が同居していて、相続したその親族がそのままその家に住み続ける場合に、この小規模宅地等の特例を適用できます。

ここのポイントは、次の点です。

  • 被相続人が住んでいた家であること
  • 生計が同じ、つまり同じお財布で生活している親族が同居していること
  • その親族がそのまま住み続けること

この場合には、330平方メートルまでの土地の評価額が80%減額されます。相続税評価額が2,000万円の土地であれば、400万円まで減額されます。

330平方メートルというと約100坪です。住宅の多くが100坪以内の土地であることを考えると、ほとんどの住宅がこの特例の範囲内に収まります。

ひとつ疑問が湧くのが、被相続人の終の棲家が介護施設であった場合です。相続人が同居していた被相続人が介護認定を受けていたのであれば、介護施設に入居していた場合でも、亡くなるまで自宅に住んでいたのと同じ扱いになります。

介護施設に入居後に、相続人が対象の家に引っ越した場合には適用されません。

事業用の場合

被相続人が営んでいた事業を相続人が継承する場合にも小規模宅地等の特例は適用できます。店舗や工場だけではなく、貸駐車場を経営していた場合にも適用できます。

事業用の土地についての小規模宅地等の特例は、400平方メートルまでの土地の評価額を80%減額できます。事業用の土地に小規模宅地等の特例を適用するには、相続税の申告期限までに親族が継続することが必要です。

賃貸住宅の場合

事業用の土地であっても、アパートなどの不動産の貸付事業の場合には、違う枠組みで小規模宅地等の特例が適用されます。

被相続人が営んでいたアパートなどを相続人が引き継いて、事業を継続する場合には、200平方メートルまでの土地の評価額を50%に減額できます。

夫婦間での居住用不動産を贈与した時の配偶者控除

配偶者に住居を生前贈与するのも相続税の節税対策として効果的です。通常は、贈与税のほうが相続税よりも高いので生前贈与よりも相続したほうがお得だと言われています。

しかし、婚姻期間が20年以上の場合には、住居を配偶者に生前贈与すると、2,000万円までの贈与税の控除を受けられます。一般に「おしどり贈与」と呼ばれるものです。

「不動産の相続税に関する注意点」でお伝えする、生前贈与の有効期限も適用されません。おしどり贈与を利用して生前贈与しておけば、すぐに被相続人が亡くなっても遺産の総額を減らせるので、相続税対策になります。

相続税の控除と特例について

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不動産に限らず、相続税には減額できる控除も用意されています。控除を最大限に活用することで、相続税の節税対策をしましょう。相続税対策で利用できる控除には次のものがあります。

配偶者の税額軽減

相続人が配偶者であった場合には、相続税の配偶者控除を受けられます。実際に相続した財産が、配偶者の相続する法定相続分か、1億6,000万円のどちらか大きい方の金額より小さければ、相続税が課税されません

配偶者の法定相続分は2分の1です。1億6,000万円を超えても被相続人が遺産の半分までの範囲で法定相続した場合には、相続した財産が10億円でも100億円でも課税されないということです。

相次相続控除

不幸にも身内が数年のうちに立て続けに亡くなり、相続が連続して起こる場合があります。故人に相続税を賄えるだけの現金などで十分な財産があればいいのですが、主な財産が評価額の高い不動産しかない場合には、相続税を捻出するのにも苦労する人が少なくありません。

そのような場合には、2回目の相続税を減額できる相次相続控除があります。相次相続控除が適用されるためには、次の条件が必要です。

  • 最初の相続の相続人が2回目の相続の被相続人
  • 2回目の相続の被相続人が1回目の相続で相続税を払っている
  • 最初の相続から10年以内に2回目の相続が発生した

例えば、5年前に祖父がなくなり、父親が相続税を支払い、その5年後に父親が亡くなって子供が相続する場合です。

相次相続控除の計算式は複雑なので、具体的な例でお伝えします。

祖父が亡くなったときに8,000万円を父が相続し、相続税を2,000万円支払いました。4年後に父が亡くなったときには5,000万円の財産が残り、長男が4,000万円、次男が1,000万円遺言により相続しました。この場合の長男の相次相続控除の計算式は次のとおりです。

祖父が亡くなったときに父が支払った相続税 × { 父の遺産総額 ÷ (祖父から父が相続した金額 - 父が支払った相続税 ) } × ( 子供が取得する財産 ÷ 父の遺産 ) × {( 10年 - 祖父が亡くなってから父が亡くなるまでの年数 ) ÷ 10年 }

こちらに数字を当てはめると次のようになります。

2,000万円 × { 5,000万円 ÷ (8,000万円 - 2,000万円 ) } × ( 4,000万円 ÷ 5,000万円 ) × {( 10年 - 4年 ) ÷ 10年 } = 800万円

長男は相次相続控除により800万円の控除を受けられます。

未成年者控除

未成年が財産を相続することになった場合には、未成年者控除が受けられます。未成年には養育費と教育費がかかることを考慮して、相続税の負担を減らすことを目的としています。

未成年者控除は、相続したときから20歳になるまでの年数に10万円を描けた金額です。計算式は次のとおりです。

( 20歳 - 相続したときの年齢 ) × 10万円

13歳で父を亡くした場合の未成年控除は次のようになります。

( 20歳 - 13歳 ) × 10万円 = 70万円

障害者控除

相続人が障害者であり85歳未満である場合には、障害者控除を受けられます。障害者控除は、85歳になるまでの年数に10万円を掛けた金額が控除されます。計算式は次のとおりです。

(85歳 - 相続人の現在の年齢 ) × 10万円

なお、特に重度の障害を持つ特別障害者と認定されている相続人は控除額が1年に付き20万円になります。

遺産に土地がある場合は税理士に依頼するのがおすすめ

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相続税の申告は、自分で計算して、申告書を作成して税務署に提出することもできます。なので、税理士に依頼すると、高額の報酬が必要になるからと、自分で頑張って申告手続きを行う方もいます。

相続する不動産がマンションだけだったり、簡単な計算だけだったら素人にもできるのですが、相続する財産に路線価で計算する土地がある場合など複雑になる場合は、高額な報酬を支払ってでも税理士に依頼した方がいいでしょう

路線価で計算する場合には、土地がきれいにバランスが取れた平坦な正方形である場合のほうが少ないでしょう。多くの土地で何らかの補正率が適用できます。しかし、自分で勝手に補正率を決めて計算してしまうと、納税額が多すぎたり少なすぎたりすることがあります。

多く納めすぎても返金されませんが、少なすぎた場合には修正申告を求められて延滞税や加算税が課税されてしまいます

自分で申告すると、税務調査が入る可能性が格段に高くなります。それで修正申告と延滞税を求められても、遺産総額が5,000万円以下であればそれほど高額にはならないのでなんとかなります。

しかし、遺産総額が1億円を超える場合には、延滞税の負担も大きくなります。税理士を入れていた場合には、税務調査への対応も税理士におまかせできます。

税理士への報酬は遺産総額の1%程度が相場です。遺産総額が多くなると、たった1%の金額でも大きくなりますが、後々のことを考えると、税理士を入れておいたほうが安心です。

不動産の相続税に関する注意点

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不動産の相続税を計算して納税する上では、注意するべき点があります。この記事の最後に、注意点についてお伝えします。

不動産相続後は名義変更しないと所有権を主張できない

不動産を相続したら速やかに相続登記を行ないましょう。相続登記に期限は設けられていません。しかし、相続税を支払うために売却したい場合には、相続登記を行って相続人の名義に変更しておかないと、売却することができません。

また、複数の相続人がいる場合には、速やかに登記を行なっておかないと、他の相続人に勝手に売却されて、大きなトラブルに発展することもあります。

遺産分割協議書を作成して、不動産を相続する人を決めたら、速やかに相続登記を行いましょう。

不動産の名義変更にかかる費用

相続登記をせずに放置してしまう人の中には、相続登記にはお金がかかるからという理由もあります。不動産の相続登記には実際のところ、法務局に登記を行うための登録免許税と、司法書士の報酬が必要です。

相続登記での登録免許税は固定資産評価額の0.4%です。計算式は次のとおりです。

固定資産税評価額 × 0.4% = 登録免許税

例えば、相続した一戸建ての固定資産税評価額が土地と建物合わせて3,000万円だった場合には次のように計算します。

3,000万円 × 0.4% = 12万円

相続登記は自分で行うこともできます。しかし、書類を集めるのに時間がかかったり、申請書を作成するのが素人には難しい点があるので、司法書士に依頼することが一般的です。

相続税が払えない場合も放置してはいけない

相続税の納付期限は、相続が発生してから10か月以内と決められています。遅れてしまうと高額な延滞税や無申告加算税が課税されてしまいます。

しかし、遺産分割協議が紛糾してしまったり、相続した不動産の評価額は高くて高額な相続税が発生するのに、現金がないために支払いが難しいという場合もあります。

基本的に相続税には分割払いは認められず、現金での一括払いをしなければいけません。しかし、10か月以内に支払いができない場合には、対処法がないわけではありません。支払いが難しい場合には、税務署に相談することをおすすめします

相続税が納税期限までに支払えない場合に考えられる対処法をここからお伝えします。

相続税を「延納」する

相続税を期限までに支払えない場合には、延納を利用できます。相続税額を最大20年まで分割払いできます。延納を利用できるのは次の条件を満たしている場合です。

  • 相続税額が10万円以上
  • 相続人の経済的状況では金銭で納付できない金額であること
  • 「延納申請書」及び「担保提供関係書類」を期限までに必ず提出すること
  • 担保を提供すること

延納すると利子税がかかる他、担保の提供も必要となります。もちろん支払えない場合には、担保が差し押さえられてしまいます。

相続税を「物納」する

延納しても全額相続税を支払いきれない場合には、相続税相当額分の不動産などを物納するという選択肢もあります。

ただし、不動産の場合には相続税評価額で評価されます。相続税評価額は、市価の8割程度に設定されているので、実際の価格よりも低い価格で評価されてしまいます。物納するのであれば、売却してから売却した金額で納税した方がいいでしょう。

相続財産を売却して現金で納める

相続税を手持ちの現金で払いきれない場合には、不動産などの相続財産を売却して、現金を作ってから、相当額を納税します

不動産の場合には、売却するまでにかなりの時間がかかります。短くても3か月程度、一般的に6か月程度は売却するまでにみなければいけません。

相続税の納税期限は10か月しかないので、不動産を売却する必要があることが分かったら、早めに行動することが大切です。

3年以内の生前贈与はなかったことになる可能性がある

贈与は年間110万円までなら非課税となります。そのために、将来の遺産相続を考えて、早いうちから生前贈与を進める方も少なくありません

しかし、被相続人が亡くなる3年以内の生前贈与は無効とされて、遺産相続と合算されてしまうので注意が必要です。すでに3年以内の生前贈与に対して贈与税を申告して支払っている場合には、相続税の一部として計算されます。

ただし、生前贈与した相手が孫の場合には、3年以内であっても認められることもあります。ただし、孫が遺産相続する場合には生前贈与は取り消されます。

相続した不動産は翌年から固定資産税が発生する

不動産を相続した場合には、翌年から固定資産税を納める必要があります。固定資産税は、固定資産税評価額の1.4%です。固定資産税評価額が3,000万円の場合には、42万円です。

評価額が高い不動産を相続した場合には、固定資産税の負担が大きくなるので注意しましょう。

まとめ

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相続税の対象となるのは、毎年亡くなった被相続人の中でも約8%だとお伝えしました。ほとんどの人には関係ないと思われていますが、平成27年に相続税法が改正されたことで、以前の倍の人数に増えています。

また、年々相続税の課税対象とされる人が増えています。都市部で地価が高く、土地の評価額が高い場所にマンションや一戸建てを持っている場合には、小さな家やマンションでも実は評価額が3,600万円を超えている可能性もあります。

相続税がどのくらいかかりそうなのか、早めに確認して、対策を考えておくことをおすすめします。

※「マイナビニュース不動産査定」は以下に記載されたリンク先からの情報をもとに、制作・編集しております。
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
https://www.rosenka.nta.go.jp/
https://www.retpc.jp/chosa/reins/
https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/02/2021-fudousan-anke-to.pdf


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