2015年の9月から10月にかけて発売された一連のAmazon製デバイスは、Amazonが顧客を囲い込むための戦略的な商品だと考えることができる。

たとえば第5世代のFireシリーズとして発売された7型のFireタブレットは通常価格が8,980円であるが、Amazonプライム会員なら4,000円引きの4,980円で購入できる。またスティック型のFire TV Stickについても、発売当初はプライム会員向けに価格が3,000円オフとなるキャンペーンが実施されていた(11月25日現在は終了)。Amazonプライムは年会費3,900円の有償サービスではあるが、これらキャンペーンをきっかけに加入した人も多いのではないだろうか。

アマゾンの7型タブレット「Fire」

スティック型の「Fire TV Stick」

セットトップボックス型の「Fire TV」

10.1型のFire HD 10も、この戦略的な商品群のうちのひとつだ。プライム会員向けの割引キャンペーンはないのだが、税込&送料込で29,980円という価格は、タブレット市場でもそれなりの競争力がある。

10.1型で解像度1,280×800ドットの液晶ディスプレイを採用する「Fire HD 10」。価格は16GBモデルで29,980円、32GBモデルで32,980円

これら第5世代のFireタブレットシリーズやFire TVシリーズを語る上で外せないのが、9月からサービスをスタートしたAmazonプライム・ビデオの存在だ。これはプライム会員であればプライム・ビデオにラインナップされている映画やテレビ番組の対象作品を、無料で視聴できるというもの。

タイトル数はまだそれほど多くはないものの、プライム会員なら追加料金なしで見放題ということもあり、注目を集めている。デバイスとサービスが同時期にリリースされたことから見ても、「プライム・ビデオはFire端末で」というのがAmazonのメッセージであることは明白だ。

Amazonプライム会員なら無料で見放題の「Amazonプライム・ビデオ」

そこで今回は、つい自腹で買ってしまったFire HD 10でのプライム・ビデオ視聴についてレビューしたい。販売戦略にまんまと乗せられている気もするが、それもまた一興ということで。

■主な仕様   [製品名] Fire HD 10   [CPU] 1.5GHz×2、1.2GHz×2 クアッドコア(編集部調べ?MediaTek MT8135[Cortex-A15×2、Cortex-A7×2])   [メモリ] 1GB   [ストレージ] 32GB   [カードスロット] microSD(128GBまで)対応   [バッテリ駆動時間] 読書、ウェブ、ビデオ、音楽などの通常使用時で最大8時間   [ディスプレイ] 10.1型ワイド液晶(1,280×800ドット)   [OS] Fire OS 5   [価格] 29,980円