2022年も終わりですね。コロナ禍は続いていますが、日常が少しずつオンラインからリアルへ戻ってきています。皆さんはどんな一年でしたか? 振り返る間もなく、年内の仕事に追われているかもしれませんね。

新年に向けて済ませておくことのひとつとして、年賀状の作成があります。最近では「年賀状じまい」として、年賀状をやめる人も増えていると言われます。スマホが普及し、LINEやメールでほとんどの人と連絡が取れるようになったいま、年賀状を送る必要性を感じなくなっている人が多いのかもしれません。

  • 年賀状を送る人は年々減っています。皆さんはいかがですか?

BIGLOBEが2022年12月に発表した「年末年始の過ごし方に関する意識調査」によると、20代から50代の半数近くになる43.1%が「年賀状は送らない」と回答したとのこと。20代が特に多く、送らない人が52.8%となっています。

この調査では、年賀状を送る方法は「はがきで送る」「LINEで送る」「電子メールで送る」「SNSで送る」「その他」となっており、つまり「年賀状を送らない」と回答した人はメールなどでも「年賀状のデータ」は送らないということ。おそらく、LINEで「あけましておめでとうございます」と文字であいさつを送ることは、年賀状とは異なるとして回答しているのだと思います。

  • はがき以外で年賀状を送っている人もいます(出典:BIGLOBE)

学生は年賀状を送ってる?

上記の調査は20代以上が対象だったので、中高生も含めた年賀状事情を見てみましょう。Studyplusトレンド研究所が2022年12月行った中学生・高校生・大学生を対象とした「年賀状に関するアンケート調査」によると、喪中も含めて年賀状を送らない人は56.6%。BIGLOBE調査の20代よりも少し多い結果です。

年代別に見ると、中学1年生は年賀状を送る予定にしている人がもっとも多く、75.3%となっています。中学1年生はスマホやSNSを始めていない人も多く、年賀状で小学生時代の友人などと交流しているのでしょう。年齢が上がるにつれ年賀状を送る人は減る傾向ですが、中学3年生や高校3年生といった受験期に大きく低下しています。受験勉強に集中するために年賀状を送るのをやめ、そのままLINEなどの手段に移行していくようです。

  • 年齢が低いほど友人へ年賀状を送る予定が多い傾向(出典:Studyplusトレンド研究所)

では、どんな手段で年始のあいさつをしているのでしょうか。調査によると、年賀状以外の年始あいさつはLINEが1位で約90%、3位はInstagramのDM(ダイレクトメッセージ)、4位はInstagramの投稿やストーリーズといったように、LINEとInstagramを中心に活用しています。

一方で、「リアルで会ったときに直接あいさつする」が2位で約70%となっていて、SNSとリアルの両方で年始のあいさつをしている様子がうかがえます。学生は普段から顔を合わせる機会が多いことや、疎遠になって年賀状だけのやり取りになる関係性の人がまだ少ないことも理由だと思われます。

  • LINEとInstagramは若者によく使われています(出典:Studyplusトレンド研究所)

SNSを使うにしても、LINEやInstagramのDMで1人に送る人、またはグループに送る人、そして投稿によってつながっている人全体にあいさつする人がいます。相手にきちんとあいさつしたい、その後も会話を続けたいという人はDMを使いますが、画像をコラージュして年始のあいさつ画像を作る人は投稿にするケースが多いようです。

Instagramをながめると、自撮りのあいさつや、推しアイドルのために作成したうちわやポストカードを使った年始の画像を見かけます。年始に推しのマスコットと初詣に行く様子もあり、若い世代の「推し」文化は年明けから全開です。

ところで、「あけおめ(あけましておめでとうございます)」や「ことよろ(今年もよろしくお願いします)」という言葉は、かつてガラケーのメールで年始のあいさつを始めたころに流行し、ギャル語とも言われていました。現代でいうと「了解」を「り」と略すような若者言葉で、「新年のあいさつまで省略するなんて……」と眉をひそめる人も多かったものです。

今やその時代の若者も大人になり、「あけおめ」「ことよろ」も特に珍しくない言葉になりました。本当に時が経つのは早いですね。2022年も当連載をお読みいただき、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。