iPhoneの新シリーズが発売になりました。今回もカメラ機能が大きく進化しましたね。高校生は写真や動画を撮影する機会が多いため、特に気になっていると思います。

というのも、カメラアプリを駆使して加工しているイメージが強い高校生ですが、実は標準のカメラをもっとも使っているのです。

アイ・エヌ・ジーが運営する「渋谷トレンドリサーチ」が2022年8月31日に発表した調査によると、「よく使うカメラアプリは?」の1位は「ノーマルカメラ(49.0%)」でした。標準カメラで撮影して後から加工する人もいれば、「原点にして頂点の画質」(高2・女子)とコメントした人もいたそうです。

2位は「Instagram(40.0%)」です。これは意外に思う人が多いかと思います。Instagramの「ストーリーズ」にあるカメラ機能には、「ARエフェクト」というエフェクト機能があり、これが若者にとても人気が高いのです。

ARエフェクトは、Metaが提供している「Spark AR」によってユーザーも作成することができるため、新たなエフェクトが日々公開されています。顔に「鬼滅の刃」のキャラクターのような加工を施したり、全体の色味を変えたり、キラキラさせたり――といったエフェクトも可能です。このカメラで撮影してもInstagramに投稿しないこともできるため、カメラアプリとしての利用が増えているのだと思います。

  • ARカメラエフェクトで今どきの加工ができます(Instagramで撮影)

3位は同率で「Beautycam(3.0%)」と「SNOW(3.0%)」です。ここでぐっと比率が下がりました。

いずれも豊富なエフェクトや細かな加工ができるアプリですが、Beautycamへのコメントには「不自然にならずに加工を調整できて良い」(高3・女子)とあり、以前のような「盛り」に興味が薄れていることがうかがえます。

自撮りに関する流行の変遷

若者に自撮りアプリが流行し始めたのは2016年ごろ、「SNOW」の登場からでしょう。撮影するだけで目が大きく、肌は白く加工され、動物の耳や熊の鼻などが配置される楽しさから、大人にもあっという間に人気となりました。その後、カメラアプリが次々と登場し、簡単に美顔加工できるアプリによって別人のような顔も作れるようになっています。

  • 熊の加工が一世を風靡しました(SNOWで撮影)

しかし2019年ごろからは、「ナチュラルな盛り」に注目が集まるようになりました。「盛り過ぎると実際に会ったときとギャップがあり過ぎて恥ずかしい」と考える人が多くなったのです。さりげなく肌を明るく、少しだけ目を大きくといった加工をしつつ、あまり現実と離れないようになりました。

このころから、標準カメラで撮影した画像や動画をそのままSNSに掲載する人も増えています。スマホのカメラが進化し、標準カメラで撮影しても明るくキレイに写るようになったことも理由のひとつでしょう。

そして今は、顔を隠す加工が流行っています。後ろ向きや横からカメラをかまえ、さりげなく顔を隠す方法や、スイーツやドリンクで顔の一部を隠すなどして撮影します。また、顔に渦巻き加工をしたり、キラキラと光らせたりして肌全体を隠す加工も流行っています。アニメ風になるなど、現実とかけ離れた加工も人気ですが、これは男性が女性になる加工アプリと同じように遊びのひとつですね。

  • アニメ風に加工しました(SNOWで撮影)

「盛り盛り」に加工していたころは、「現実カメラ」と呼ばれて敬遠されていた標準カメラ。現在では自然体でいることが大切とされ、受け入れられています。

こうした流れは日本以外の若者にもあるようで、アメリカで流行しているSNSもリアル重視へと転換しています。メディアも写真から動画へと移ってきていますが、今後も自撮りの世界がどのように変わっていくのか興味深いところです。