イマドキの若者は、ネットにあふれる情報を上手にピックアップしています。若者が情報を得たいときは、まずSNSで検索し、より詳しい情報を検索サイト経由で調べています。

本を買うときもSNSを活用しています。別記事「TikTok発でヒットする楽曲や小説」でも紹介しましたが、TikTokから広まった本が増刷されたり、映画化されたりしています。TikTokの使われ方の傾向として、フォローしているアカウントの投稿を見るよりも、「おすすめ」に流れてきた投稿を見る人が多いため、偶然見かけた動画で知った本に興味を持った人が多いのでしょう。

  • イマドキの若者はネットやSNSとリアルの使い分けが上手

そんな若者ですが、実は本を手に取るきっかけはSNSよりも書店が多いという調査が発表されました。スタディサプリが行った『現役高校生の「読書実態アンケート2022」』によると、高校生が本を手に取るきっかけの1位は「書店の店頭POP」(54.4%)とのこと。書店に出向き、POPを読んで店員がおすすめしている本を手に取るという、昔と変わらない本の購買スタイルです。

コメントを読むと、書店員がおすすめするならハズレがないという書店員への信頼や、POPの紹介が上手――といった理由が挙がっています。

  • 「本を手に取るきっかけ」(出典:スタディサプリ)

2位は、「友達のおすすめ」(29.6%)。本の趣味が合う友達が「面白かったよ!」と言ってくれたら、自分もまず面白いと感じますよね。コメントを見ると、頭がいい子やセンスがいい子からのおすすめも手に取っているようです。

そして、ここからネットの世界に。3位「Instagramなどインフルエンサーの紹介」(28.9%)、4位「ネットの広告」(27.8%)と続いています。

先ほどはTikTokの話でしたが、Instagramにも本を紹介するアカウントがあり、「おすすめのミステリー」や「読んで欲しい青春小説」などを紹介しています。YouTubeにも本を紹介する人気アカウントが多く存在しますが、YouTubeの場合は紹介だけでなく、本を要約して伝えるチャンネルや内容について解説するチャンネルもあることが特徴です。

  • Instagramの「#本紹介」ハッシュタグがついた投稿は3.5万件あります(2022年9月末時点、筆者撮影)

ネット広告に関しては、マンガの一部を紹介している広告で続きが気になり読んでみた――という意見が挙がっています。TwitterやYouTubeの広告で見かけて、マンガアプリで続きを読んでいるのでしょう。

いまの若者は「失敗したくない」気持ちを強く持っています。服やコスメ、グルメに関しても、SNSで口コミを読み、レビューサイトをチェックしてから購買行動に移ります。そんなとき、信頼できる人からのオススメがある商品やサービスは、強い購入動機になるのです。

おしゃれなインフルエンサーからコスメ情報を知るように、本に詳しい書店員、普段からよく知っている友達、本の紹介で人気のクリエイターからの情報は重要です。その点についてリアルとネットの区別はなく、詳しい人からのアドバイスをしっかりキャッチしているのですね。

「紙の本」との触れ合いを楽しむ高校生も

書店で本を手に取る人が多いということは、電子書籍やアプリではなく、紙の本を購入する高校生がいるということです。上記の調査では、「紙媒体で買いたいジャンルの書籍は?」の1位が「小説系」(60.5%)、2位が「単行本・コミックス」(47.0%)となっています。

その理由は、「手元にあると繰り返し読みやすいから」がもっとも多かったとのこと。また、「読んだ本をずらっと並べたい」「本をインテリアとしても楽しみたい」という声もたくさん寄せられたそうです。推し活と同じように、コレクションを部屋に並べるのは楽しいものですよね。

一方で、読み終わった本を売って、新たな本を買う若者もいます。かつて取材した女子高生は、マンガアプリで無料の箇所を読み、面白いと感じたら古本屋に行って続きを購入すると言っていました。読み終わったら、お小遣い節約のために、また売るのだそうです。

フリマアプリ「メルカリ」が行った『「物価上昇に伴う生活防衛」に関する調査(2022年4月)』によると、「将来売る前提でお買い物している商品」の2位が「書籍・漫画」でした。ライターとしての初仕事が紙媒体だった私としては、少し寂しくも感じます。

でも、スタディサプリの調査では、「紙やインクのにおいが好き」「本の重みを感じながら」など、紙媒体の触感を楽しんでいる高校生もいました。デジタル化が進む世の中ですが、紙媒体も共存していけそうです。