2025年も残りわずか。今年もたくさんの腕時計が発売となり、さまざまな話題を振りまいてくれました。そんな腕時計の世界に起こった3つのニュースをピックアップ。今年の出来事をおさらいしておきましょう。
たった1日しか販売されなかった腕時計?
スイス製のカラフルなカジュアルウォッチを数多く販売しているスウォッチ。ここ数年、オメガやブランパンとコラボした腕時計が人気を博していて、一部のモデルが品薄になるなど大きな話題となりました。
そんなスウォッチが2025年9月8日(月)のたった1日だけ、世界中の厳選されたスウォッチストアで限定販売した腕時計がありました。「ミッション トゥ アースフェイズ - ムーンフェイズ ゴールド」です。
この腕時計は、満月を祝うタイムピースシリーズの第2弾として登場したオメガとのコラボウォッチです。その特徴は、2時位置にポップコーンをモチーフにしたムーンフェイズ表示を配置しているところ。そこに現れる月には、金色に輝くトウモロコシの粒の列が描かれています。
なぜポップコーンかというと、9月の満月の呼び名「コーンムーン」が由来となっています。トウモロコシの収穫時期と重なるアメリカの農事暦に関係しているそうです。また、「想像力は、ポップコーンの粒のように、条件さえ整えば弾け飛び、素晴らしいものになる」という意味も込められているのだとか。
月やスヌーピーとも関係が深いオメガらしく、このコラボウォッチの文字盤にも、スヌーピーとウッドストックが月に座って地球を見つめているイラストが描かれています。
ミッション トゥ アースフェイズ - ムーンフェイズ ゴールドに興味をひかれたので、都内のスウォッチストアへ出かけてみました。するとその手前にかなり長い行列が! 到着したのは11時頃でしたが、その時点で70人ほど並んでいるのが確認できました。
ミッション トゥ アースフェイズ - ムーンフェイズ ゴールド以外のモデルを買いたいのであれば、その行列に並ばなくてもスウォッチストアに入ることはできて、普通に買い物もできました。
ストアスタッフにミッション トゥ アースフェイズ - ムーンフェイズ ゴールドについてどういう状況なのか、聞いてみました。
「各ストアでの具体的な販売予定本数はお答えできませんが、かなりたくさんの本数を用意しました。ただ、すべてのお客様に販売するのは難しいかもしれません。あと数十人で完売する見込みです」
つまり、11時の時点で並んでいた約70人のうち、何人かは買えない人がいたのかもしれないということになります。
例えば、年間生産数を限定して販売されるレアな限定腕時計とは違って、その日にしか販売されないとなると、長蛇の列ができるのも納得です。ただ、できることなら、別の日にも販売してほしいと思いました。
ちなみに、その日の夜にフリマアプリをのぞくと、定価の2~4割増で転売されていました。本当に欲しい人のところに届かないのは、少し悲しいところですね。
周年ブランドが多かった1年
今年は多くの老舗腕時計ブランドが周年を迎えた1年でもありました。いくつか列挙すると、ブランパンは290周年、バシュロン・コンスタンタンは270周年、ブレゲは250周年、ランゲアンドゾーネは180周年、ゼニスは160周年、オーデマ ピゲは150周年、ブローバは150周年といった具合です。
周年を迎えたブランドは、周年を祝うイベントを世界各地で開催したり、アニバーサリーモデルを発表したりして、大いに盛り上がりました。
創業150周年を迎えたオーデマ ピゲは、没入型エキシビション「ハウス オブ ワンダーズ」を上海で開催。会場となった上海展覧センターでは、創業者がブランド初のマニュファクチュールとしてル・ブラッシュに建てた本社を模したデザインが再現されました。テーマ別の部屋で構成された内部には、ブランドの歴史を知ることができる貴重な資料やアーカイブウォッチがそろいました。
創業250周年を迎えたブレゲでは、記念エキシビション「Les Tiroirs du Temps ~時の引き出し~」を銀座で開催。アニバーサリーモデルやミュージアムピースの展示、スイス本社の工房で働く職人によるデモンストレーションなどがお披露目されました。
創業160周年を迎えたゼニスは、創業者ジョルジュ・ファーブル=ジャコ氏のイニシャルをとって「G.F.J」と名付けられたタイムピースを発表。その特徴は、1949年に開発され、時計の精度を競う「天文台コンクール」で1950年から1954年まで5年連続で1位を獲得した「キャリバー135-O」(天文台コンクールのクロノメーター試験のために作られた幻のバージョン)を復刻したことです。
「135」の由来は「13リーニュ」(ムーブメントサイズが約30mm)と「5振動」です。プラチナケースで160本限定、695万2,000円という価格で販売されましたが、すぐに完売したことでも話題となりました。
過去の名作が復刻ラッシュ
2025年は過去の名作の復刻モデルが数多く登場した年でもありました。例えば、日本でも大人気のファッションブランド「ルイ・ヴィトン」は、1980年代後半にメゾン初の腕時計として作った「モントレー」を復刻しました。
ルイ・ヴィトンが理念としている旅の精神と鉄道の線路を模したデザインは、1980年代当時の腕時計界に衝撃を与えたといいます。それから40年近くが経過した2025年、39mmのイエローゴールドのアイコニックなケースにエナメルダイヤルを組み合わせた「ルイ・ヴィトン モントレー オトマティック イエローゴールド」が登場しました。188本限定生産で価格は850万3,000円。
また、アメリカの腕時計ブランド「タイメックス」は、1975年にLCD搭載モデルとして初めて市場に投入した「SSQ」を復刻。50年の時を経て、「SSQ デジタル リシュー」として発売しました。厚みのある独特な立体的フォルムや、日付と時刻のみのシンプルな機能は当時のまま再現されました。
また、液晶周りにコンケーブ(くぼみ状にした樹脂製のパーツ)をはめ込み、SSQの文字が入っているのも当時を感じさせるデザインとなっています。「SSQ」は「Solid State Quartz」の略で、半導体技術(ICチップなど)と水晶振動子を組み合わせた高精度電子式時計を表しています。
独特なフォルムと放射線状のヘアライン仕上げが施されたステンレススチールのケースとサテン仕上げのブレスレットが近未来的な印象でありながら、価格以上の魅力を放っています。再現性の高さや部材の調達などにもこだわっていて、2万8,600円とかなりリーズナブルに入手できるのも嬉しいポイントだと思います。
来年も腕時計の世界が多くのニュースでにぎわうことを期待しましょう!














