• MM総研大賞2026の表彰式の様子

    MM総研大賞2026の表彰式の様子

MM総研は、2026年7月16日、東京・白金台のシェラトン都ホテル東京で、「MM総研大賞2026」の表彰式を開催した。

MM総研大賞には、Anthropicの「Claude Cowork/Claude Code」が選ばれた。

同社Developer Community Leadの辻潤一郎氏は、「権威と歴史がある大賞を受賞し、身が引き締まる思いである。日々、Claude CoworkおよびClaude Codeを利用している方々にお礼を申し上げたい」と述べ、「Anthropicは、強力な生成AIの技術を使い、人類の長期的な利益を追求していくことを目指している。また、米国では、Public Benefit Corporation(公益法人)と呼ばれる企業形態をとっており、重視しているのは、生成AIの性能を高めることだけでなく、安全性の追求である。モデルをリリースする際にも、リスクを理解し、対策の準備をしている。Claude CoworkおよびClaude Codeは、人が考えていることを文脈から深く理解し、それを実現することができる。Claude Codeはソースを書くところからデプロイまでを行い、大規模なシステムにも対応できる。エンジニアから高い評価を得ている。また、Claude Coworkは、日々のドキュメント作成、スケジューリングなど、エンジニア以外に利用してもらうことができる。だが、Anthropicには、業種ごとの専門知識がない。業界の課題を知っている方々にClaude Coworkを活用してもらうことが必要であり、コミュニティ活動も開始している。高齢化や地方創生などの日本の社会課題に対して、Anthropicの製品が活躍できることを目指したい」と語った。

  • Anthropic  Developer Community Leadの辻潤一郎氏

    Anthropic Developer Community Leadの辻潤一郎氏

MM総研大賞は、ICT市場の発展を促すことを目的に、2004年に創設した表彰制度で、今回で23回目となる。次世代のスマート社会を支える技術やサービスなどを表彰する「スマートソリューション部門賞」、日本のICT産業発展への貢献が高く評価された技術およびサービスを対象とした「審査委員特別賞」、社会的に大きな話題となった技術やサービスなどを対象にした「話題賞」をそれぞれ選出。そのなかから、審査委員会が「スマート社会への貢献度」や「今後のICT産業への影響度」などを選考基準として、総合的に判断した結果、最高峰にあたる「MM総研大賞」を決定する。

  • MM総研大賞2026の表彰楯の授与の様子

審査委員会は、慶應義塾大学名誉教授・特別特区特任教授の村井純氏が審査委員長を務め、審査委員として、一般社団法人モビリティ・イノベーション・アライアンス 理事長の天野肇氏、中央大学 国際情報学部教授の篠﨑彰彦氏、NPO 法人CANVASの理事長である石戸奈々子氏、フリージャーナリストの西田宗千佳氏、MM総研の代表取締役所長兼CEOである横田英明氏が参加している。

スマートソリューション部門賞では、10分野において、11件の技術およびサービスを、最優秀賞として選んだ。各分野の最優秀賞は以下の通り。

  • AI エージェント分野 Anthropic 「Claude Cowork/Claude Code」
  • 次世代ネットワーク分野 NTT ドコモビジネス セキュリティ統合型NaaS「docomo business RINK」
  • セキュリティ分野 NEC 次世代サイバーセキュリティサービス「CyIOC(サイオック)」
  • データセンター分野 NTT データグループ 「グローバルデータセンター」 ソフトバンク AI-RAN ソリューション「AITRAS」
  • 次世代モビリティ分野 KDDI/KDDI スマートドローン 「ドローンポートの社会基盤化」
  • 地域モビリティ分野 みちのりホールディングス/茨城交通/日立市 「ひたちBRT」の自動運転バスを中心とした取り組み
  • スマートシティ分野 愛知国際アリーナ/NTT ドコモ 「IG アリーナ」
  • DX 支援ソリューション分野 東芝テック 「AI 技術を活用した小売店舗向けスマートストアソリューション」
  • 医療ICT 分野 大塚製薬 認知症の診療支援に用いる神経心理検査用プログラム「ミレボ」
  • スマートデバイス分野 Even Realities 「Even G2」

また、審査委員特別賞は、住友電気工業の「海底マルチコア光ファイバ」が選ばれ、話題賞には、FCNTの「らくらく シリーズ・arrows シリーズ」が選ばれた。

  • MM総研大賞2026の受賞者と審査委員による記念撮影

    MM総研大賞2026の受賞者と審査委員による記念撮影

審査委員会の村井純委員長は、講評のなかで、「MM総研大賞は、2004年から、その時代ごとに、インパクトがある製品やサービスを表彰している。テクノロジーが社会を変えていくことを示してきたともいえる。いまや、デジタル技術やデジタルデータが、自分には関係がないという人は、どの産業においてもいない。そして、2026年は、デジタルという言葉を、AIに置き換えてもいいというほどになっている。自分の仕事にAIは関係ないと言える時代は、2025年で終わった。社会のあらゆるところにAIのインパクトが生まれている」と前置きし、「今日の受賞者の発言のなかでは、『日本を元気にしたい』という言葉が多かった。AIがフルスタックで利用される状況において、日本は、どこで力を発揮できるかと考えた場合、それはサービスだといえる。AIは、サービスの領域にも多く活用されるが、サービスの品質が最も高いのは日本である。ここに、関わっている人が歯を食いしばってがんばっている。だから日本は強い。『日本を元気にしたい』という言葉は、『日本が弱い』のではなく、『日本が強さを発揮できる領域がある』ということが背景にある。AIの時代においても、サービスにおける品質と安全性を高めるのは、日本の役割である」と提言。「私は非常に楽天的に見ている。海外の優れた技術もあるが、日本にしかできないものがある。MM総研大賞の審査の過程でも、すばらしい製品やサービスがあり、逞しさや頼もしさを感じた。新たな力強い未来を期待できる」と述べた。

また、「MM総研大賞は、多くの製品やサービスを網羅しており、ここまでカバーしている表彰制度はほかにはない。審査委員会では、濃密な議論をしている。それが楽しくもあり、驚きもあり、感動を覚えるときもある。審査員が言い出したひとことで、大きな賞を獲得するケースもある。日本には、新たな試みに挑戦し、成果を生み出している事例がたくさんあることを感じた」と語った。

  • MM総研大賞2026審査委員会の村井純委員長

    MM総研大賞2026審査委員会の村井純委員長

一方、MM総研の関口和一理事長は、「MM総研は、1996年6月に設立し、30周年の節目を迎え、MM総研大賞も23回目を迎えた。この数年は、AIの勢力が強くなっている。とくに、今回、MM総研大賞を受賞したAnthropicの場合には、Anthropicショックという言い方もされるほど注目を集めている。昨年、Claude Codeが登場し、今年1月にはClaude Coworkが登場し、4月にはClaude Opusをリリースした。これらの動きは、業界全体に影響を及ぼしている」と述べた。

  • MM総研の関口和一理事長

    MM総研の関口和一理事長

また、2026年3月に、MM総研の所長兼CEOに就いた横田英明氏は、「私自身は、MM総研大賞に第1回目から関わってきた。これまでの所長は、中島洋氏、関口和一氏と、ICT業界で著名な方が歴任してきた。そのポジションに就くことにはプレッシャーがあるが、私なりのやり方で会社を発展させたい」と挨拶した。

  • MM総研の横田英明所長兼CEO

    MM総研の横田英明所長兼CEO