前回の「ミラーレスカメラ、フルサイズもAPS-Cもソニー『α』が人気」に続き、今回もヨドバシカメラ新宿西口本店 カメラ総合館でアクションカムの売れ筋を取材しました。

アクションカムは、このジャンルを代表するGoProを中心に右肩上がりの販売を続けており、ソニーやDJIの製品も目立っています。アウトドアレジャーが活発になるこの季節は、とりわけアクションカムが活況を呈するシーズンといえるでしょう。

同店スタッフの豊田健太氏は「アクションカムは、動画の画質や手ぶれ補正など、総合的な性能の向上が著しく、ビデオカメラの市場にも食い込んでいるところがあります。さまざまなシーンで利便性が発揮できる製品だと思います」と語ります。

  • ヨドバシカメラ新宿西口本店 カメラ総合館にあるアクションカメラ売り場。豊田健太氏に解説してもらった

アクションカム選びの3ポイントは次のとおりです。

  • 予算は入門機で1万円程度、売れ筋キットで5万円程度。さらにメモリーカード代で1万円準備するとベター
  • 連続撮影時間の比較は重要。さらに、バッテリーが交換式か否かで必要な機材も大きく変わってくる
  • 付属品や別売りオプションの種類のほか、連携するスマホアプリの使い勝手も比較して選びたい

以上を踏まえて、最近の売れ筋ベスト5を見ていきましょう。　

※原稿と写真で掲載している価格は、2019年6月26日14:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位：4K/60p動画が撮れる定番トップの「GoPro HERO 7 Black」

売れ筋トップは、GoProの最新シリーズの最上位となる「GoPro HERO 7 Black」です。アクションカムは、伝統的にGoPro、特に現行の最上位モデルが一番人気で市場をけん引する構図が続いています。HERO 7 Blackも、まさにその位置で安定した売れ行きを誇っているそうです。税込み価格は4万7260円。

なかでも支持されているのは、4K/60p動画撮影の安定性。「Blackだけが搭載している映像安定化技術『HyperSmooth』によって、歩いたり走ったりしながらでも非常に安定した映像に仕上がるので、そこを気に入って購入する人は多いですね」とのこと。加えて、シリーズで唯一バッテリー交換式のため、長時間の撮影を想定している人に指名買いされることも多いようです。

  • GoPro「GoPro HERO 7 Black」

第2位：空間光学手ブレ補正が高評価の「FDR-X3000」

続く2位は、GoProの対抗馬では長らく一番手となっているソニーの最上位モデル「FDR-X3000」です。税込み価格は4万9000円。

4K/30pの動画が撮れるうえ、水深60mまで耐える防水ハウジングが付属しているところも高く評価されていますが、一番のポイントは手ぶれ補正の実力といいます。「ビデオカメラで培った空間光学手ブレ補正の品質がとても高く、かなり安定した動画が撮れます。ソフトウェア制御ではないので、暗がりでの撮影でも補正によってノイズが入ることがないのが魅力ですね」

  • ソニー「FDR-X3000」

第3位：タフで自分撮りもしやすいと支持を集める「Osmo Action」

3位は、DJIが5月に発売した「Osmo Action」。税込み価格は4万3000円で、4K/30p動画が残せます。FDR-X3000と同じように、GoPro HERO 7 Blackのライバルとして比較されることが多いといいます。

モニターが背面だけでなく前面にも付いていて、自分撮りでも構図をしっかり決めやすい強みがありますが、タフネスさを気に入って購入する人も多いそうです。「動作環境は-10度から40度までと幅広く、シビアな環境でも確実に映像を収めたい人に指名買いされることもあります」

  • DJI「Osmo Action」

第4位：フルHDタイプで唯一のランクイン「HDR-AS300」

4位に入ったのは、ソニーの「HDR-AS300」です。トップ5のなかで唯一の4K動画非対応モデル（フルHD/60p対応）で、税込み価格は3万8790円となります。

対応する録画の仕様以外は2位のFDR-X3000と近い仕様で、空間光学手ブレ補正も備えています。そのうえで、1万円近く安いところを好む人が一定数いるとのこと。「大画面で再生しない、記録用だからデータ容量を抑えたい、などの理由で4K動画を必要としない人は割安なこちらのモデルに注目しますね」

  • ソニー「HDR-AS300」

第5位：8,000円台で4K動画が撮れる！　入門機定番の「MC8000BK」

5位には、SACの「MC8000BK」がランクインしました。4K/30pの動画撮影に対応し、ハウジングや固定スタンドなど複数のアクセサリーが付属しながら、税込み価格は8,420円とお手ごろです。

1万円以下の4Kアクションカムは複数のメーカーから登場していますが、MC8000BKは付属品の充実ぶりなどから、このクラスの定番となっているそうです。「画質もまずまずですし、ワンパッケージでいろいろな撮影方法が試せるので、アクションカムの入門機としてとりあえずこちらを買ってみる、という方は少なくないです。操作に慣れたらGoProなどにステップアップするという感じですね」

  • SAC「MC8000BK」

はみ出し情報…手持ちで安定4K動画が撮れる「Osmo Pocket」も人気

アクションカムに近いジャンルでのヒットモデルを尋ねたところ、豊田氏はDJIの「Osmo Pocket」をピックアップしてくれました。手持ちで4K/60p撮影が可能なカメラで、税込み価格は4万3080円になります。

「小型軽量ですが、ジンバルと同じ機構で強力な手ぶれ補正が効きます。歩きながらの撮影はもちろん、スキーやスノボで片手持ちして、フロントとバックの画面を切り替えながらの撮影もできるので、注目している人は多いですよ」

  • DJI「Osmo Pocket」

著者プロフィール
古田雄介

古田雄介

フリーランスライター。『アキバPick UP!』（ITmedia PC USER/2004年～）や『売り場直送！ トレンド便』（日経トレンディネット/2007～2019年）などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『死とインターネット』（Kindle版）、『ここが知りたい！ デジタル遺品』（技術評論社）、『故人サイト』（社会評論社）など。