DJIは5月16日、同社初のアクションカム「Osmo Action」を発表しました。速報記事「DJI「Osmo Action」発表、GoProが強い本格アクションカメラ市場に参入」にある通り、本体の前後にカラー液晶を搭載して自分撮りの際もライブビューを見ながら撮影できることや、強力な電子式手ぶれ補正機能でスタビライザーを使わずに手持ちでなめらかな4K動画が撮影できるのが特徴です。使い勝手はどうか、早速Osmo Actionを試してみました。
本体サイズや外観はGoProと似ている
基本的なデザインは、「HERO6」などGoProの主力モデルとよく似ており、本体サイズもほぼ同等の水準に仕上げられています。さまざまなアクセサリーを装着するための金具の形状はHEROシリーズと同じなので、アクセサリーは多くが使い回せます。
手ぶれ補正の利きは上々、画角はやや狭くなる
まずは手ぶれ補正機能です。Osmo Actionは、スタビライザーのような機械的な装置を必要とせず、画像処理で動画の揺れやぶれを抑制する電子式の補正機能を搭載しています。
実際に歩きながら撮影したところ、歩く際の振動など不快な揺れがしっかり抑えられ、なめらかな動画に補正されました。手ぶれ補正を無効にして撮影した動画と比べると、明確に違いが分かります。高性能スタビライザーを搭載した「Osmo Pocket」のなめらかさには及びませんが、水中を含めどのような状況でもしっかり補正されるのは大きなメリットといえます。
電子式補正のため、補正用の領域を周囲に確保することから、手ぶれ補正をオンにすると画角が狭くなります。超広角レンズならではのワイド感を重視したい場合は、あえて手ぶれ補正をオフにするのもよいでしょう。
ちなみに、明暗差の激しいシーンでの画質向上を図るHDRと手ぶれ補正機能は両立できず、HDRを有効にすると手ぶれ補正は無効になってしまいます。この点は、やや残念に感じました。
自分撮りできる前面液晶は大きな魅力
Osmo Actionは、ライブビューが表示できる液晶パネルを前面にも搭載したことで、画面を見ながらの自分撮りが確実にできるようになりました。前面液晶は1.4インチときわめて小さいものの、構図は問題なく確認できます。この点は、GoProにはない大きなアドバンテージといえます。
昨今、旅行やお出かけの際に風景や名所を撮るだけでなく、自分を含めた自撮り動画や自撮り写真を撮る人が増えています。スマホのインカメラと比べて圧倒的に広角のレンズで撮影できることから、自撮りを重視する人にとっては魅力的といえるでしょう。
設定などの操作はGoPro似、慣れれば快適
Osmo Actionは、背面のタッチパネル液晶をスワイプしてメニューや設定の画面を表示させる仕組みで、どことなくGoProシリーズと似ています。ある程度慣れが必要ですが、レスポンスは上々で、ストレスなく快適に操作できるでしょう。
Osmo Actionの直販価格は税込み44,820円で、GoProの最上位モデル「HERO7 Black」(実売価格は税込み4万9000円前後+ポイント10%)と価格は実質的にほぼ横並び。強力な手ぶれ補正機能はHERO7 Blackも搭載していますが、前面のカラー液晶による自撮りはHERO7 Blackにはない大きなアドバンテージといえます。「超広角レンズによるユニークな自撮りも楽しめる超小型の動画カメラ」として、SNSで写真や動画を活用したいと考える人にヒットしそうな1台といえます。